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10月個展作品紹介8(23年)

新作の紹介です。

 後戸と地上とを繋ぎ生命力の供給源たる大樹

それらはやがて朽ち、花は地上へと降り注ぐ

生命力を蓄えた花びらは新しい世界の用土と化す

作品紹介

 紫陽花は散り世界の大地に恵みをもたらし、大樹は後戸との架け橋、エネルギーの供給源として林立しています。
 画中の最奥に見える大輪をつけた樹は後戸との繋がりを示します。
 真ん中の樹は花びらを地上に蒔き、大地に生命をもたらします。しかし、花はなくなりもうじき後戸との繋がりが切れます。
 左奥に見える切り株は役割を終えました。
 
 フナが泳いでいるのはまだこの世界が羊水のように後戸の生命力で満ちているからなのかもしれません。天と地が分かたれる前の地上と水中、空中との境界や植物と動物の境界などがまだはっきりと定まらないすべてが繋がった世界です。

 本作は光を意識しました。これまで今回の個展作品のnoteでも紹介してきたようにこの世界に降り注ぐ光にはちゃんとした意味がありました。
 その事を強調するために光の描写もこだわりました。
 淡くきらめく空。その光に垂らされた睡蓮の光の当たる場所とそうでない場所のコントラスト。全体が柔らかい空気に包まれた雰囲気作り。こういうところもぜひ注目していただきたいです。

斎庭

 斎庭は“ゆにわ”と読みます。斎の字が示すように神社における清められた場所を意味します。
 日本各地には鎮守の森が点在しています。この作品の空間はこの鎮守の森のようなもので、私が制作を始めた当初からテーマにしているもののひとつです。田んぼの真ん中に島のようにある他とは空気の違う場所です。一種の聖域ですね。私の作品も見る人や保有してくださる方にとっての聖域、心の休まる場所になって欲しいという願いがあります。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 引き続き個展作品の紹介をしますので、よろしくお願いします。

【作品情報】

題名:清められた世界は静かに広がる (湛 _∅_ 斎庭)
大きさ:M10 号(530*333m)
技法:パネルに油彩
価格:330,000 円(300,000 円 + 税)

【出品情報】

こちらの展示でご覧いただけます。

平林孝央個展
”再生 世界のみる思い出”

2023年10月20日(金)-29日(日)
24,25日休み
12:00-20:00
最終日は19:00まで

ギャラリーフェイストゥフェイス
〒167-0054 東京都杉並区
松庵 3-35-19 SHOEI BLDG.2 #102
(西荻窪駅南口徒歩 2 分)
03-6875-9377

https://www.facetoface2000.com/

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