『何者』

note開いてくださってありがとうございます。
*『何者』のネタバレを若干含みます。

読んでくださっている方々は、朝井リョウさんの『何者』という小説をご存知ですか???

就活中の男女5人のお話でして、僕は小説ではなくて、映画化された作品を中学生くらいの時に初めて見たんですが、見終わった後考え方が大きく変わりました。

前半、主人公の男性に共感しました。
主人公は、世の中を少し斜めに見ていて、周りの一生懸命就活してる人たちを小馬鹿にしているような人間です。
当時、中学生だった僕は、そういう世の中を斜めに見ることがカッコいいと思ってた人間だったので、主人公の言動が自分のようだなと感じました。

しかし、終盤で、主人公の価値観は強烈に否定されます。
主人公のどのような言動に共感し、どのように否定されるのかはぜひ実際に見ていただきたいのですが、僕は今までの自分の価値観を否定されたような気持ちになりました。

朝井リョウさんの作品は、誰かの価値観を否定しただけで終わらず、「でもそういう価値観もあるよね」という優しさもあるのが僕は好きなのですが、それは一旦置いといて、

見終わった後、僕は自分がいかにダサい人間かを思い知らされました。
「そうだったのか、世の中の人は、斜めに見ることだって出来るけど、一生懸命生きた方がカッコいいから、斜めに見ずにまっすぐ生きようとしてるんだ!」と反省しました。

そこから朝井リョウさんの小説にハマり、映画『何者』の原作の小説はもちろん、他の作品も読むようになり、朝井リョウさんがやってるラジオも聴くようになりました。

映画『何者』公開から何年も経ったある時、「映画『何者』について、今だから話しておきたいことがある」と、朝井リョウさんがラジオでおっしゃっていました。
だいぶ前の話なので、詳細には覚えていませんが
「あの映画は青春映画のように宣伝されていたが、そのことについて申し訳ないと思ってる」という内容でした。

映画は、主役佐藤健さん、他にも有村架純さん、菅田将暉さん、二階堂ふみさん、岡田将生さん、山田孝之さんという今では考えられないような、当時でも豪華な方々で製作されていて、予告は有村架純さんが「好きだったよ」と、佐藤健さんに言ってる描写で終わり、青春恋愛映画を匂わせる予告になっていました。

朝井リョウさんは、映画を売り込む方法として、「青春映画のような予告になったことは仕方ない、広報の方が少しでも映画が良い成績を残せるように一生懸命やってくださった結果だし、そのことに関しては本当に感謝をしている。ただ、お客さんの中に、もし青春映画だと思って見てみたら、内容が違くてショックを受けた方がいたら、その方々には申し訳ないと思っている」というようなことをおっしゃっていました。

確かに、僕は友達に誘われて軽い気持ちで見に行きました。それにこんな気持ちをえぐられるような作品だとは思ってもいませんでした。

でも、だからこそ僕には衝撃的でした。

浮ついた気持ちで、軽い気持ちで見に行ったからこそ、ハッとさせられ、気持ちをえぐられ、自分の価値観の情けなさとダサさに作品がグサっと刺さりました。

今でも自分の考え方はしょうもないところばっかりです。でも、あの予告のおかげで『何者』という作品に出会ってなかったら、もっと僕はダサい人間になってたと思います。

だからこそ、いつか伝えたいです。
「むしろ青春映画のような予告だったからこそ、『何者』を見ることができました!」
「むしろ青春映画のような予告だったことに感謝してる人もいます!」と朝井リョウさんに伝えたいんです。

朝井リョウさん見てますか、、、?

いつかお会い出来るように頑張ろうと思います。
まだまだ遠い話に感じずが、雑誌などで朝井リョウさんと対談してみせます。
ここまで読んでくださった方もご興味あれば是非朝井リョウさんの作品を読んでみてください。


来週は「思い出を美化したくない!」という情けない話を書くつもりです。

いや結局情けないのかよ!

ここまで読んでくださってありがとうございました。来週もお願いします。

暖々日和
平澤

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