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文法っておもしろい〜!:『行った方がいい』と『行ったらどうですか』について書いてみた

今日、2ヶ月ぶりの生徒さんとのレッスンがありました。レッスンが始まり、近況報告をしているときに、「10日後に日本へ旅行することになりました!」とワクワクした表情で報告がありました。

なんと、数日前に予約したとのこと!まさに"Last minute"な旅行決断だったそうです。前から行きたいと言っていたものの、スケジュールや子連れなのか一人旅なのかで迷っていたのは聞いていたので、とにかく行けるようになったことが私も自分のことのように嬉しかったです。

そして、最近連日報道されているようなオーバーツーリズム問題で有名な観光地は避けたいと言っていました。ニューヨークに住んでいるので、都市にはあまり興味がなく、田舎にも滞在したいとのことでした。旅行が迫っている中、まだ宿の予約などは全てしていないそうで、私も色々とおすすめの場所を挙げてみました。

ちなみにレッスンでは、予定していた内容から旅行で使うフレーズやロールプレイングなどに切り替えました。

レッスンが終わった後、初級で出てくる次の文型である「行った方がいいですよ」と「行ったらどうですか」が頭に浮かびました。よく、「違いはなんですか?」と聞かれる文法です。

私なりに文法を分析してみました。


よく聞かれる2つの文法

まず、2つの例文を見てください。

  1. 東京と大阪の間でどこかに行くなら、長野に行った方がいいですよ。

  2. 東京と大阪の間でどこかに行くなら、長野に行ったらどうですか。

この2つの違いは、主観的でなおかつ理由がある上でのアドバイスなのか、それとも提案なのかだと思います。

主観的なアドバイスで、選択肢が限られている

「長野に行った方がいいですよ」の場合、「行く」か「行かないか」の2つの選択肢のうち、「長野に行った方がいい」という根拠や理由があるように感じます。例えば、話し手が長野に行った経験があり、とても良かったと感じている場合などが考えられます。つまり、話し手は「長野に行く」という選択が他の選択肢よりも良いと考えていることを示していると感じます。

提案と柔軟な態度

一方、「長野に行ったらどうですか」の場合、東京と大阪の間にはいろんな街があり、選択肢もたくさんあります。話し手の強い意見ではないけど、相手の話を聞いた上で「長野」を提案しているように感じます。つまり、1つの選択肢として提案しているに過ぎないため、「行った方がいい」のような強い意見ではなく、他の選択肢もあり得るというニュアンスも含まれています。

それに加え、「どうですか?」という表現は相手の意見や反応を求める姿勢が含まれているので、相手に対して柔軟な態度を示していると言えます。

前のめり感があるか、ないか

「行った方がいいですよ」だと、前のめりで話しているイメージがあり、「行ったらどうですか?」だと前のめり感が感じられない、と私は思います。

「行った方がいいですよ」と言われた場合、相手は否定することが難しくなることが多いと私は思います。この表現は強い勧めや推奨のニュアンスを含んでいて、断ることが難しいと感じることが多いです。
(あくまでも、私の意見です)

私がこの生徒に使うのはどっち?

ちなみに、この生徒さんには「長野に行ったらどうですか?」を使うと思います。

なぜならば、北海道まで足を伸ばしたいけど、日数と他に既に決定している滞在地を考えると難しいこという情報がある上で、東京から行きやすく、なおかつ他の生徒さんたちからも「長野がとにかく大好き!」と言っている人が本当に多いからです。私は長野に20年前に1回しか行ったことがなく、前のめり感がないのです・・・!
九州からは、長野より韓国の方が断然行きやすいのです。パスポートが必要ですが。

文法っておもしろかよ〜!(=文法っておもしろいですよー!)

相手との距離感、自分の強い意見かどうか、話す内容、または話し手の性格によっても使う文法が変わるので、しみじみと文法について考えるたびにおもしろいなぁと感じています。(語彙力・・・)
日本語を教えるまで、母語の文法について考えたことがなかったので、文法について考えたり分析したりするたびに、いつも宝探しみたいな気分になります^^

また、頭に浮かんが文法を私なりに分析してみようと思います。



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