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71. オンライン日本語レッスンのおぼえがき: 1つ壁を乗り越えた

約1年ほどレッスンをしている、10代の生徒がいます。

母語でも発話が苦手で、言葉が出にくかったり緊張が高まると吃音が出たりすることがあります。うまく話せなかったり、言葉が詰まったりする苦しさ、私も以前吃音があったのですごくわかります。

私の場合、仕事での電話に出るのが本当に苦手でした。
今は、仕事で電話を使うことがないのでわかりません(笑)
「お電話ありがとうございます」の「お」がどうしても言えなくて電話が鳴るたびに、バクバクバク心臓が跳ね上がってたし、
「お世話になっております」の「お」も出なかった。

今なら笑って言えますが、仕事から帰った後、母に家の固定電話に電話をかけてもらって、電話に出る練習をしてもらっていたほどです。

そして、私が「お」が言えなかったことで、同僚や電話に出た人に笑われたことで、更に言えなくなっていたのです。

それもあるので、吃音がある生徒には、生徒の状態を見て、無理に話さなくていいよ、話したくなったら練習しようと、生徒と一緒に決めて、

話さない代わりに、

  • 日本語で入力が速くなった

  • 日本語を聞いてディクテーションができる

つまり聞いて、それを文字にする力が伸びました。
ついでに文字にすると漢字が自動入力されるので、漢字も一緒に覚えてきました。

でも、やっぱり教える側としては、日本語を声に出してほしいなぁと思っていたところ、

今日のレッスンで生徒のパソコンのキーボードの調子が悪くて、ローマ字入力ができなかった。

そこで、「今日は日本語を話してみる?」と聞いたところ、生徒の返事は「はい!」でした。

昨日「日本語のヨガ」レッスンで使った方法をこの生徒にも試してみることに。
昨日の日本語のヨガレッスンでは、私が英語の発音を勉強した際に、発音矯正の入り口として、コーチから最初にしてもらったテクニックをやってみました。

そのテクニックは、お経を読むように音読して、その後にだんだんスピードを上げるというものなのですが、最後には滑らかに読めるのです。

本人も前はひっかかってたところが言えて、そして「できた」という体験もあって、

今日のレッスンの最後には、
" Thank you for being patient with me, and I am really happy I found you." 

と、いってくれて、私が5年前に受けたものが2日連続で役に立てて、コーチに感謝しかありません。

今日は1つの壁を乗り越えた生徒ですが、また次はだんだん話すのが普通になるまで、じっくりと見守りたいと思います。



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