「先生、’じっくり’と’ねっとり’の違いはなんですか?」と聞かれて。
突然の質問、じっくりとねっとりの違いはなんですか?
昨日、アメリカ人の生徒さんBさんとのレッスンで次のような質問がありました。
’じっくり’と’ねっとり’の違いはなんですか?
辞書で調べたら、どちらも”thoroughly"でした。
この質問を受けて、正直私はびっくりしました。
オノマトペ(擬音語・擬態語) のじっくりとねっとりの英語訳が同じ?!?!
ねっとりと’thoroughly’が私の中では繋がらなくて、ねっとりだと英語では'sticky'や’gooey’が近いかな、と思っていたので。
’じっくり’と’ねっとり’を例文と一緒に説明しました。
わかったと言ってくれたのですが、英語訳が一緒だと言われたのが気になったので、レッスン後に考えてみました。
じっくり
まずはじっくりから。
英語訳:carefully, thoroughly
じっくりの意味:時間をかけて、慎重に、そして丁寧に物事を行う様子を表す。
よく使われる例文として、
じっくり考える (Think carefully)
じっくり煮込む (Simmer thoroughly)
ねっとり
次にねっとりは
英語訳:sticky, gooey
(ちなみに生徒さんからの引用だと、' thoroughly; in detail (with a connotation of being sticky or persistent' です。)
ねっとりの意味:粘り気があり、まとまりつくような感じ。または、しつこい。しつこいの場合は性格や行動を表す。
よく使われる例文として、
ねっとりとした食感(A sticky texture)
ねっとり話す (Speak in a persistent manner)
ねっとりとした話し方、、、書いているだけですごく身震いしそうになりました。笑
パッと浮かんだのは、FRIENDSのキャラクターのジャニスでしょうか。笑 ねっとりとした話し方は苦手ですが、ジャニスは好きなキャラクターでした。
子供の時に健康志向の母から食べさせてもらえなかった「ねるねる」のCMの魔女もねっとり系の話し方でした。
違いのまとめ
じっくりは、時間をかけて慎重に行うことに焦点が当たっている。特に料理や考え事など、丁寧に進めるべき状況で使われる。
ねっとりは、物理的な粘り気やしつこさ、またはそのような性質を持つ行動や態度に使われる。ネバネバとした粘着性がある物体や、しつこい行動を表す場合に使われる。
日本語を勉強するようになって、改めて絵本を読んでみると、0歳児の絵本からオノマトペがたくさん使われていることに気づきました。
知らず知らずとも、オノマトペのシャワーを浴びて私たちは育ってきたのだな、としみじみ感じました。
日本語のオノマトペは、日本文化や日常生活に深く根ざしています。例えば、日本では自然の音や感覚を言葉で表現することが多いのですが、他の言語ではそのような表現が少ないことがあります。この文化的背景の違いが、オノマトペの理解を難しくします。
そしてオノマトペは他の言語に直訳できない場合があります。そのため、日本語を母語としない学習者たちには理解するのが本当に難しいそうです。私は韓国語初級者なのでまだ韓国語のオノマトペを学んでいませんが、一番すっと理解してくれるのは韓国人の生徒さんです。(といっても、2人しかいないので胸を張って言えないのですが・・・・)
この今日書いた'じっくり' と’ねっとり’をきっかけに、音がもつ印象というのも考えてみたので、また近々noteで書こうと思います。
あ。ちなみに、今日じっくり焼いたサツマイモ(紅はるか)がねっとりしておいしかったです。ねっとりとした焼き芋を食べた後に豆乳を飲むと、カスタードクリームみたいでとてもおいしいですよ^^
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