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【じーじは見た!】前編:GXリーグってご存知ですか?

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

さて、今回は「GXリーグ」がテーマです。
Jリーグ(サッカー)、Bリーグ(バスケットボール)のようなプロスポーツリーグではありませんよ😊

経済産業省がCO2排出権取引のマーケットを日本にも定着させることを目指して、日本の大企業を中心にCO2排出削減への野心的な取り組みを呼び掛けている「グリーン・トランスフォーメーション」GXを冠したイニシアチブなのです。

GXリーグ設立準備公式Webサイト

このGXリーグに関して前・後編で詳しくみていきましょう。

✅「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定!

2023年2月10日に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。

GX:グリーン・トランスフォーメーションとは、産業革命以来の 化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換することであり、脱炭素の社会づくりという壮大な構想です。

とにかく日本の国土は、ヨーロッパに比べると風力・太陽光発電に向かない特徴がある上に、原発を積極的に使うとは言いづらい中でも第6次エネルギー基本計画では2030年の段階で電源の20~22%を原発に依存すると書いてあるのにどうする気だろうと思っていました。

今回の基本方針で原発を使用期限を延長してでも「活用」し、新型炉や小型炉の新増設もする方向に方針転換しました。

国民感情を考えると原子力も使いづらい状況で、原発事故から12年間も「原子力活用」の明確な活用方針を打ち出さずに先送りしてきましたから唐突な積極的活用への転換にNPO・NGOの方からは相当批判されていましたが、押し切りました。

一方で、この12年間、せっかく世界に先行して「水素」活用をモビリティにも応用していこうとして「燃料電池車」を開発してきたトヨタを見放し、都市ガス網という戦後日本が築いてきた強みであるインフラを活かした画期的なシステム「エネファーム」の普及にも力を入れてきませんでした。

今になって「3密」とかのキャッチフレーズ大好き知事が、東京都だけは屋根に太陽光パネルを載せると張り切っていますが、その前に家の断熱基準強化すら政治決断できなかった方々が、国民への説明を端折っていきなり「GX」と叫んだところで国民理解が進むとは思えません。

それでも「GX実現に向けた基本方針」には、欧州にルール形成で先行されていいなりにならざるを得なかった点を反省していると思いますよ。

デファクトスタンダードの国、米国。デジュールスタンダードのEU。一方、前例踏襲(変わりたくない病)の日本でしたが、これまで先送りしたり、見放してきた項目にも「力を入れます」と方針には書いてあります。

「今度こそ本気なの?」と疑心暗鬼な目で項目を眺めてみました。

閣議決定された基本方針の項目をピックアップすると以下の項目です。
(※から以降はじーじが書き足した記述です。)

1.エネルギー安定供給の確保を大前提とした GX に向けた脱炭素の取組
1) 徹底した省エネルギーの推進、製造業の構造転換(燃料・原料転換)

2) 再生可能エネルギーの主力電源化 
※太陽光・風力といった再生可能エネルギーの他に日本には揚水発電という余剰電力の調整を上手にするしくみがあるのですが、今は遊んでいます。原子力発電が稼働していないからなんです。

3) 原子力の活用 
※今回はGXリーグを話題にしているので原子力に関しては基本方針のスライドを2枚だけ示しておきますね。

GX実現に向けた基本方針 参考資料より抜粋
GX実現に向けた基本方針 参考資料より抜粋

4) 水素・アンモニアの導入促進
5) カーボンニュートラルの実現に向けた電力・ガス市場の整備
6) 資源確保に向けた資源外交など国の関与の強化
7) 蓄電池産業
8) 資源循環
9) 運輸部門の GX
10) 脱炭素目的のデジタル投資

11) 住宅・建築物
※これまで住宅が売れなくなるとの声から世界一暑くて寒い家と揶揄される断熱基準の緩い国だった日本。ようやく断熱基準が強化されるようです

12) インフラ
13) カーボンリサイクル/CCS
14) 食料・農林水産業

2.「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現・実行
①「GX 経済移行債」等を活用した大胆な先行投資支援(規制・支援一体型投資 促進策等)
② カーボンプライシングによる GX 投資先行インセンティブ
③ 新たな金融手法の活用

項目だけは盛沢山ですよね。
そんな中で、GXリーグというのは、2.の「成長志向型カーボンプライシング構想」の関連施策なのです

✅カーボンプライシングって何?

名前のとおりカーボン、つまり炭素(C)にプライシング、価格付けをするという意味です。

一つは石油・石炭税のように化石燃料に税金を賦課して使用するコストを高くすることで使用量を減らす方向に向かわせるという施策です。

もう一つは、CO2の排出権取引に使う二酸化炭素の排出枠に価格付けをするという手法で市場原理で化石燃料の使用量を減らさせるというものです。

ヨーロッパでは、企業に排出枠を与え、それをオーバーすれば市場から排出権を買って穴埋めし、排出枠を余らせれば、他の企業に排出枠を販売できるマーケットが出来上がっています。

日本の温室効果ガスの排出総量は約11億CO2トンです。

例えば、この内の3億CO2トンを2030年時点の産業界の排出枠として無料枠として各企業に割り当て、現状実力4億トンから約1億CO2トンを削減しなくてはならないとしましょう。

1億CO2トン分の排出権が売買される場合、CO2トン当り1,000円で排出枠をオーバーした分を買ってきて穴埋めしなければならない場合なら1,000億円の売買市場が出来き上り、10,000円なら1兆円の排出権取引市場が出来上がる訳です。

これが政府の言うことをよく聞く産業界だけでなく日本全体の11億CO2トンにまで枠を広げた排出権取引市場になれば11兆円の市場、マーケットが創出できる訳です。

これができるとCO2の価格という何の蓋然性もなかった「CO2を減らす価値」にある程度の蓋然性を企業に示すことができます。

これがGXリーグ発足の大きな目的なのです。

✅GXリーグで何を始めるの?

現在の予定では、2023年4月末までに第1フェーズの参画企業を募集しています。

1月31日現在、GXリーグに賛同してルール形成に参加している企業は679社です。

GXリーグ公式Webサイトより抜粋
GXリーグ公式Webサイトより抜粋

2023年4月末までに第1フェーズ(2024年~2026年)に参画する企業が決まります。679社の中から400社前後が第1フェーズに参画すると言われていますが、不参加を言い出しづらい雰囲気ですのでもっと数が増えるかもしれません。

なんら強制はしていませんが、GX移行債を人質にした上手いやり方をしているようにも思いますので意外に多くの参加企業で始まるかもしれませんね。

さて、第1フェーズのGXリーグで何をするのか?どんな形で排出権取引が始まるのか?そのあたりは後編で見ていくことにしましょう。

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