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2024年上半期における米国電力網の拡大と廃止状況 - 中間レポート


日付: 2024年8月19日


1. 2024年上半期の新規電力容量追加

  • 総新規容量:

    • 米国では2024年上半期に20.2 GWのユーティリティ規模の電力発電容量が追加されました。これは、2023年の同期間に比べて21%増加したことを示しています。

  • 太陽光発電:

    • 貢献度: 太陽光発電は最も大きな貢献をしており、12 GWが追加され、全体の59%を占めています。

    • 主なプロジェクト: 最大規模の太陽光プロジェクトには、ネバダ州の690 MWのGemini施設とテキサス州の653 MWのLumina Solar Projectがあります。

    • 地域別: テキサス州とフロリダ州が米国の太陽光追加容量の38%を占めています。

  • バッテリー貯蔵:

    • 貢献度: バッテリー貯蔵は4.2 GW、全体の21%を占めています。

    • 主なプロジェクト: 主要なバッテリー貯蔵プロジェクトには、Gemini施設の380 MWのバッテリー容量とアリゾナ州のEleven Mile Solar Centerの300 MWがあります。

    • 地域別: カリフォルニア州(37%)、テキサス州(24%)、アリゾナ州(19%)、ネバダ州(13%)がバッテリー貯蔵の大部分を占めています。

  • 風力発電:

    • 貢献度: 風力発電は2.5 GWが追加され、全体の12%を占めています。

    • 主なプロジェクト: 最大規模の風力プロジェクトには、テキサス州のCanyon Wind(309 MW)とGoodnight(266 MW)があります。

  • 原子力発電:

    • 貢献度: ジョージア州のVogtle原子力発電所の4号機(1,114 MW)の商業運転開始により、米国の原子力容量が増加しました。これにより、Vogtleは米国で最大の原子力施設となり、4基の原子力発電炉を持つ唯一の施設となりました。


2. 2024年上半期の発電容量廃止

  • 総廃止容量:

    • 米国では、2024年上半期に5.1 GWの発電容量が廃止されました。これは、2023年の同期間に廃止された9.2 GWに比べて大幅に減少しています。

  • 廃止された燃料タイプ:

    • 天然ガス: 廃止された容量の53%は天然ガスを使用していました。

    • 石炭: 石炭を使用した発電所は41%を占めています。

  • 主な廃止施設:

    • 石炭: 主要な石炭廃止施設には、フロリダ州のSeminole Electric Cooperativeの1号機(626.0 MW)とペンシルベニア州のHomer City Generating Stationの1号機(626.1 MW)があります。

    • 天然ガス: 最大規模の天然ガス廃止施設は、マサチューセッツ州のMystic Generating Station(1,413 MW)であり、ニューイングランドで3番目に大きな発電所でした。


3. 2024年下半期の予定されている発電容量追加

  • 総追加予定容量:

    • 開発者は、2024年下半期に米国で42.6 GWの新規容量を追加する計画を立てています。

  • 太陽光発電:

    • 予定貢献度: 追加予定容量の約60%(25 GW)が太陽光発電からのものです。計画されているすべての容量が追加されれば、2024年の太陽光発電容量追加は37 GWに達し、年間記録となります。

  • バッテリー貯蔵:

    • 予定貢献度: バッテリー貯蔵は10.8 GWの追加が見込まれており、すべての予定が実現すれば、2024年には15 GWのバッテリー貯蔵容量が記録的に追加されることになります。

    • 地域別: テキサス州とカリフォルニア州が、下半期の新しいバッテリー貯蔵容量の81%を占めると予想されています。

  • 風力発電:

    • 予定貢献度: 風力発電は、下半期に4.6 GWが追加される予定です。


4. 2024年下半期に予定されている発電容量廃止

  • 総廃止予定容量:

    • 約2.4 GWの容量が2024年下半期に廃止される予定で、そのうち0.7 GWは石炭、1.1 GWは天然ガスです。


このレポートは、米国の電力網が再生可能エネルギーとバッテリー貯蔵ソリューションに大きくシフトし、古い化石燃料ベースの発電所を段階的に廃止していることを示しています。

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