金融市場の注視と前向きな企業行動による金融緩和調整の必要性 - 日銀高田審議委員の見解
1. 市場動向の注視と金融緩和の調整
高田創審議委員は、8月の株式・為替相場の大幅な変動の影響が残っているため、当面は市場動向の注視が必要だと述べた。
米欧の金融引き締め政策や海外の経済・物価情勢がリスク要因として存在するため、日本銀行は市場環境に対して高い緊張感を持っている。
前向きな企業行動(設備投資の堅調、賃上げ、価格転嫁の継続)が確認されれば、金融緩和度合いの調整が進められる可能性がある。
2. 物価目標と利上げのパス
物価安定目標の実現が「なお展望できる」との認識を示したが、利上げには慎重なアプローチが必要とされた。
利上げの経路に関して、自然利子率の把握が困難な状況下で、特定の金利水準を目指すものではなく、経済・物価・金融情勢に基づき慎重に進められる方針。
政策金利の引き上げは、十分な時間をかけ、段階的に進める現実的なアプローチが求められると述べた。
3. 国債購入減額とその影響
日本銀行は7月の政策決定会合で、政策金利の引き上げとともに国債の購入減額を決定。
高田委員は、国債購入減額によって金融緩和効果が大きく変わることはないが、市中への国債発行増加と同様の効果をもたらす可能性があると指摘。
そのため、日銀は市場との対話に努め、国内外の市場や投資家動向を継続的にモニタリングしていく意向を示している。
4. 今後の展望と企業行動の持続性
物価の推移が日銀の見通しに沿って進行し、企業の前向きな行動(設備投資、賃上げ、価格転嫁の持続)が確認されれば、金融緩和のさらなる調整が必要とされる。
高田委員は、「金利のある世界」にしていくことが重要であり、緩やかな金利上昇の必要性についても言及。
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