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明日、私は大学院を辞める。

(これは実際に大学院に退学届を出しに行く前日に
書いたものである。現在は数日経過しているが、
途中で書くのを放棄していたため今更投稿する。)

明日ついに、
先生のところに行ってハンコをもらいに行ってくる。
そして事務局に退学届を提出する。

大学院を辞めに行くのだ。

人生で流石に「大学院を辞めに行く」という経験は
二度とないはずなので、
心境をつらつらと書いてみる。

初めて私の投稿を読んでくださる方のために
プロフィールを軽く紹介する。
私は臨床心理学専攻の修士1年。
学部時代は実家から大学に通っていたが、
片道3時間かかる大学院に外部進学することになり、
実家を離れ、一人暮らししている。

大学院に合格したのが去年の10月。
自分が学部時代に通っていた大学の院試には落ち
非常に落胆していたが
(だいたい内部は優遇されるものだが、、
甘くなかった。勉強不足だ。)
第一志望だった外部の大学院に合格できて、
非常に嬉しかったし、
進路が定まったことに胸を撫で下ろした。

しかし、そこから違和感は生じていた。
簡単に言えば指導教員や先輩とのミスマッチである。
心理学といってもその領域は大変幅広い。
その中でやりたい分野の心理学を見つけ、
院試を受けたが、
面接で指導教員に言われた言葉がある。

「院生は24時間365日、休みがありません。プライベートもなければバイトもできない。非常に厳しい世界です。それでも、やっていく覚悟、気力はありますか?」

そんなのないんだけど。話が違う。
学部時代の院の先輩は普通にアルバイトしてたよ?
てかアルバイトもできないのどういうこと?
一人暮らしはいいけど食っていける?大丈夫そう?

入試本番でそう聞かれ、
「いいえ、ありません。」という覚悟はなかった。
落ちたら私の努力は絶対に水の泡になる。
報われない私が可哀想ではないか。

周りのみんなは就活が終わって
残り少ない学生生活を謳歌している。
そんな中で私は何ヶ月も苦しんでもがいて、
努力はなんとか実った。
すごく頑張った。けど、その先に待っている院生としての生活、研究とひとり暮らしの両立については、
全く、思い描けていなかったことに気づいた。
それに加えて、なんのためにここまできたのかわからなくなった。
そこそこ名の知れた大学院への切符を手にしたことで、私以上に喜んだのは両親だった。
本当にそれが嬉しかった。
だけど、、私はここから始まる生活を耐え抜く自信がもうなかった。

そのことを、私の将来が定まって嬉しそうな両親に言える勇気がなかった。

そうは言ってもなんとかやれるかもしれないし、、
そう思って入ってみたが、
やはり意志の弱い私はダメダメだった。

先輩には「基礎的な勉強が足りていないよね笑」と説教され、
先輩に迷惑をかけまくり、毎日泣きながら帰った。
基礎的な勉強をしようと思っても、
授業の課題や研究、研究室業務等に追われ、
そこに割く時間もない。
全部、やってこなかった自分が悪いけど。
要領も悪くて気も利かなくてついていけなかった。
帰宅すると疲れて風呂も入らず
寝落ちしてしまうようになった。

大学院はハイレベルすぎて、
自分みたいなバカがいる価値なんてないと思った。

周りの同級生は皆優秀で、
周りと比べて落ち込むことが増えた。
一難去ってまた一難、というが、
感覚的には一難去っても十難くらい襲われる。

よく眠れないし中途覚醒もするようになる。
何もされていないのに急に涙が出る。
この苦痛から逃れたい、、と思うようになる。

現実逃避で、無心でオーストラリアのワーホリについて調べていた。
気づいたら、夜中の1時になっていた。
少し熱っぽくて、測ったら37度5分あった。
知恵熱かな?今日はゆっくり休もうと思い、寝た。

その翌朝、
私はベッドから起床できなくなってしまった。
その日から、私は大学に行けなくなった。


収入も何もリターンのない大学院生活に、
いつしか希望を見出せなくなった。
やりたいことをまとめて作成した資料に対して帰ってくるのは否定的な意見ばかり。全然楽しくなかった。
自分が何をしたかったのか完全に見失った。
その研究の臨床的意義は何なのか?と問われても、答えられなかった。
M1の5月で修論構想を発表しなければならなかったが、何度意義を考えて伝えても先輩には理解して貰えなかった。完璧主義な私はもう毎日悔しかった。

すでに研究されたことをなぞっても意味がないし、
かといって研究されたことのない(まだ研究が進んでいない)分野を切り開こうとしても先行研究がないからやめろと言われる。

何をするのが正解なのか、
研究室での自分の立ち位置はわからなくなり、
お金ももらえないのにここにい続ける意味がわからなくなった。
先輩は昨日と今日で言っていることが違う。
先輩自身もタスクに追われ、
こちらを多く気にかける余裕もない。

学部時代に一緒に頑張ってきた
大好きな仲間達もいないし、
たくさん面倒を見てくれた先生方もいない。
1学年40人ぐらいいる中で外部からの進学は
私含めて5人。
疎外感も強かった。

多分この気持ちを全て先輩にぶつけたら、
こう言われるのだと思う。

「いつでも相談してくれたら良かったのに!」と。

能動的に動かないと誰も助けてくれない。
当たり前である。SOSは自分で出さないと。
だってみんな自分のことで精一杯だから。

だけど私はこの現状を打開してまで
この場所にいたいとは思わなくなっていた。

頑固だね、と親にはよく言われる。
2年耐えて院卒になれば、
大卒よりも良い給料もらえるのに、勿体無い、と。

確かに。
でも、やりたくないことに時間を割くのは時間もお金も無駄だと思った。
時間にもお金にも余裕がないと心が貧しい。
私がなりたかったのはこれじゃない。
私が健康に楽しく、
プライベートも大切にしながら生きていくために、
この選択は間違っていないと、
今でも確信している。

次進む道を自分で正解にしていく必要がある。
自分のためにも。
たくさん心配をかけてしまった親のためにも。



だから、辞める。

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