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戦車の突撃?機動打撃でしょう!!

戦車は歩兵と違い「突撃にぃぃぃぃぃ、前へ!」の号令で吶喊の声を上げて敵陣地に突っ込むなんてことはしません。

突撃と同じ意味がある言葉といえば「機動打撃」かな?

戦車が敵陣地に「突撃」する時は機動打撃と言うのだけれど「機動打撃前へ!」なんて号令もありません。

偵察により機動打撃前には敵状を調べ、機動打撃に障害になる対戦車障害の地雷原を拡幅し、特科の支援射撃が行われる。

「最終弾着下10秒前!」

「6・5・4・・だんちゃーーく    今!」

歩兵や新隊員の教育なら銃剣を着剣し、「突撃にー、前!」で突っ込むところだが・・・。

戦車は違うのです。

私が戦車乗りとしての第一歩として配属された部隊は日本唯一の機甲師団、第7師団でした。

第7師団の特性といえば、通常普通科連隊が基幹となって師団が編成され、普通科連隊が有事には他職種部隊の配属を受けて増強され「戦闘団」を編成しますが、機甲師団では基幹となるのは戦車連隊で普通科連隊は1個連隊しかなくそれも機械化された普通科連隊です。

7師団唯一の普通科連隊の11普通科連隊は他の普通科にないFVを装備して各戦車連隊で編成される戦闘団に配属されます。

7師団のホームページに紹介されている7師団の任務。

「任務 侵略部隊を撃破するとともに、他方面隊への増援をするのが、第7師団の任務です。」とあります。

特性も紹介されています。

「 陸上自衛隊近代化の「先駆」として誕生した我が国唯一の戦車を主体とした機甲師団で、陸上自衛隊唯一の機動打撃師団です。


1戦車を主体とした強力な火力を保有しています。

2全隊員が戦車・装甲車等に乗車、路外も迅速に機動し、軽快機敏な戦闘ができます。

3機動に優れた数種の対空火器を保有し、戦車等に同行しつつ果敢な対空戦闘ができます。」とあります。

機甲科では戦車は機動打撃力の骨幹であると習います。

普通科、歩兵が突撃する前に戦車の機動力で敵陣を突破しその後から普通科、歩兵が占領する。

突撃という号令はないけれど機動打撃って迫力あるよ。

戦車小隊長の命令「小隊は引き続き前進する。1班右、2班左、1班は前方対戦車障害、右側方戦車に注意!2班、後方対戦車ミサイル、上空の警戒、左側方戦車に注意、躍進よーい!前へ!」

と無線で命令が伝達されると各車では・・・。

「操縦手、躍進よーい」と車長が操縦手に号令します。

操縦手はギアをバックに入れます「準備よし!」車内通話で復唱復命を行いつつ動作の確認をします。

車長「操縦手、後方よし!あとへ!」

戦車を後退させる「右!よし!その方向、停止よーい、止まれ!前進よーい、前へ!」
号令が矢継ぎ早に発せられる。

操操縦手はギアを低速に入れ勢いを付けつつ増速する。

砲手は砲安定で敵方向に砲口を向け狙いを定めつつ戦闘態勢で警戒する。

「操縦手、速度増せ!」これが戦車の突撃号令かな?

こうやって書いたけれど実際はもっとこまごまとしたものが当然あるし流れみたいな感じを書いたので、かなりデタラメな号令なので「これが戦車の突撃号令か」なんて思わないでね。

日本ではミリタリー雑誌や専門書でも決してこういう話は出てこないし、自衛隊の言葉は通訳が必要なのか余り流通させない。

漫画やアニメも結局外国の戦記などを訳したものを使うので戦車乗りからすると違和感ありありなのである。

もし、機動打撃を描いても「全車、全速前進!」とか「突撃」とか「パンツァーフォー」なんて号令になっちゃうんだよね。


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