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アンチは理不尽のこの世の姿

派遣事務やら在宅コールセンターやら飲食業店員やらやってるが、本業はフリーランスのクリエイターだと思ってる。

そう思わなければ、勤務職で便利に使われてるだけの小器用な都合のいいオバハンでしかない自分に嫌気がさす。

フリーランスのクリエイターたるためにパソコンやらSNSやらWEBやらやってきたおかげで、周りの勤務職の同僚が出来ないこともやれたりする。

それは複業フリーランサーとしては当たり前のことなんだが。

努力家だよな副業してる人って。

*  *  *

それはともかく、最近飲食業の職場でチラシデザインが必要になったので、WEBのサムネイル作りでCANVAに慣れている私が作成した。

それ以来、職場の店舗スタッフグループLINEに私が「お知らせ」をCANVAで誌面ふうにデザインして流すようになった。

CANVA作業自体は好きだし慣れてるしで負担はない。

むしろ、たまにこういう作業してないと腕が錆びちゃう。

が、勤務時間外にデザイン作業をするという負荷よりも、もっと違う負荷が私を襲うようになった。

「アンチに自分の投稿をさらす」という恐怖が、LINEに「お知らせ」を流すたびに押し寄せる。

*  *  *

そもそも私は自分のSNSだって持ってるし、匿名ではないFacebookのようなアカウントもやってた。

他人様のSNSアカウントや店舗アカウントの運営代行もしたことがある。

よく「SNSはこわいから発信したくない」という意見があるけど、私は全然平気。

私のSNSの投稿なんてどうせ誰も見ていないし、99%以上スルーされているだろう。

私が自分のSNSで何を投稿しようが平気なのは、誰も私の投稿を気にかけていない=ファンもいなければアンチもいない、から。

多少フォロワーのある他人様のSNS代行は、私が代行して投稿したものがアカウントのファンやアンチにどう思われるかというよりも、私に代行を依頼したかたが私の仕事に対してどう思うか、のほうが大事だった。

だいたい、他人様のアカウントのファンやアンチは私のファンやアンチではない。

代行者ごときがつけあがらず、淡々と代行をこなすのが職務なので、SNS代行でアンチを気にすることなんてなかった。

それなのに。

一生懸命真面目に働いている職場のグループLINEに業務連絡のお知らせを流すことが、こんなにアンチが恐ろしいとは。

*  *  *

私は、アンチの中で勤務をしている。

そう明確に感じているのだと、つくづく思い知った。

飲食業の現場ではよくある事だが、私が働いている職場も会社そのものも、典型的な男尊女卑だ。

男性社員は自動的に役職も給与も上がっていくが、女性社員と海外からの技術研修生は永遠にヒラ。

だいたい日本人の女性社員は私しかいない。

フツーの女性なら近付かないような男優位すぎる場所だ。

男尊女卑が当然の環境なので、男性社員は女性社員を元から「身分が低い」ものとしてバカにしている。

若い女性社員が居た時期もあったが、若いかたでさえ女性なら「オレの嫁さん候補」or「タイプじゃない生意気女」扱いで、対等に扱われていた歴史はない。

ましてや、私のようなアラフィフのおばさん社員ならもっと悪い。

「おばさんは人として価値が落ちる」と男たちが当然のように考えている。

その様子を見て、バイトさんたちも「このオバさんは社員とはいってもバカにして良いんだ」と思ってる。

なぜそんな悪条件の職場に居るんだ、というのはもっともなのだが、そこは生活のためもある。

正直、こういう「分かりやすく男尊女卑なおバカさんたちのほうがパターンが分かるので扱いやすい」のだ。

結局、私も彼らをバカにしているから、私もバカにされるのだろう。

要は、周りには「私を嫌いな人」と「私に完全無関心な人」しかいない。

アンチと通行人しかいないのだ。

*  *  *

アンチと通行人しかいないストリートでは、ぶつからないように通りすぎるに限る。

私が声をかけなければ、そのままスルーしてくれるのだ。

だが、このストリートで「お知らせしまーす」なんて声をあげた日には!

「なにエラそうに言ってるのだオバハンごときが」というアンチ+通行人の嘲笑がシラッと通り過ぎる。

職場のグループLINEに、自分がデザインしてコピーも考えた「お知らせ」文書を流すというのは、そういうことだ。

「オバハンがなんか言ってるわw」という白々したものがLINEの向こうで一瞬現れるのだろう。

それでも私はやんなきゃいけない、仕事だから。

白々しく冷笑されてバカにされるのも含めて、仕事だから。

*  *  *

以前にvoicyでキングコングの西野亮廣さんが「理不尽と戦うな、理不尽の中で戦え」という放送をなさってて、心打たれた。

シングルマザーのアラフィフ女なんて、だいたいどこに行っても理不尽だ。

だから、理不尽システムが分かりやすくて戦いやすい理不尽を選んで、今の職場にいる。

*  *  *

私が職場のグループLINEに自分の文書を送った時に感じるアンチの恐怖は、SNSが怖い人の恐怖と似通ってるんだろう。

誰も自分の投稿に興味がないだろうに、アンチだと思って怖がっている。

私が職場に感じる自分へのアンチも、実はそんなもんかもしれない。

人は私に興味などない、ただ理不尽な空気にやられてるのだ。

アンチとは、人ではなく、理不尽の具現化なのだろう。

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