ジャイケルマクソンが一日中かかっていても、メニューが目玉焼きソーセージ丼しかなくてもざくろはまわる、お客さんは来る。

具合を悪くしてしまった。
救急車で運ばれて3週間入院した。
退院しても頭がうまく働かないし、
店にいても厨房に座ってばかりで
料理の組み立てもできなければ
他のことに気遣いもできない。
仕方ないのだけれど、
思うようにいかないのだけれども、
入院中、たったひとりで
私よりも料理のできない主人が、
どんな心ぼそい気持ちでお店を守ってくれていたのだろうかと思う。
私が退院して戻って来たら、
主人の好きなマイケルジャクソンのたった一枚のCDがエンドレスで一日中かかり、
メニューは
たったひとつ、
目玉焼きソーセージ丼のみ。
それでも、
目玉焼きソーセージ丼も作ったことのない主人だった。たったこれだけのことでも、
作ったことのない人にとって、
これを作って提供することによって
金銭を受け取るという、
なんとハードルの高い!
主人になにより感謝と、
あれ?お店って案外これだけでも
なんとかなるんだ、、なるんだね、、と実感。
おしゃれなBGMがなくとも
メニューがいろいろなくとも、
たったこれだけのことで
やっていけたりして、、。
自分のお店に対するこうあるべきが
面白いくらいに崩されていき、
つまらない思い込みに悩むより、
必要に迫られて悩むようにしよう、
カラダを悪くするくらいのリスクを背負ってまで仕事をすることはないと
考えさせられたこの1か月。 
もっと自由で良い!と常日頃から云うわりに自分から囲いを作り自由の意味を履き違えていた。少しだけ、まだ不自由なカラダで 
今更自由を叫ぶのもおこがましいが、
心は最後まで自由でいたい。
そして、もうやりたくないことはしない。
全部選ぶのは自分で良いから。
こうなってしまってわかることがたくさんあった。
ジャイケルマクソンがかかっていても
目玉焼きソーセージ丼だけでも
大丈夫、大丈夫。。

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