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映画『エゴイスト』

2023年2月10日公開 https://egoist-movie.com/

松永大司監督作品と聴いて映画館で観に行きました。『ハナレイ・ベイ』で推しがお世話になりましたので…。

以下は当時観てすぐの感想。

エゴイスト観た。良かった…………良い映画と表現していいのかはわかんないんだけども、観て良かった。ハナレイ・ベイ観たときも思ったけど松永監督の描く「喪失」の空気すごい好きですね。愛の話だったよ。

関係性にお金のやり取りが発生するとハラハラしてしまって胃がキリキリしたんだけど、それでもちゃんと救いだったと、愛だったと受け止めて貰えてたことは浩輔にとっても救いだったよなあとか いろいろ…

ゲイだからこその問題や難しさとかもあれば、性別関係なく発生する問題も愛もあって、どちらかを殊更に強調するでもなくフラットに表現されてたように感じたかな そういう安心感のある映画…

龍太がキリキリ働いてるシーンに挟まる浩輔が楽しそうに仕事してるシーンも胃痛がすごかった そういう描写がすごい細かく丁寧 原作も読もう…

当時の感想を漁ってての記憶だけど、接写が多くて手ブレのような映像が多いので酔って映画どころではなかったという感想もいくつかあったので、そういうのが苦手な方はおすすめしづらいかも。映画館の大画面だったから余計そうだったのもあるかもしれないけど、一応ご注意を。

この映画には「LGBTQ+インクルーシヴ・ディレクター」と「インティマシー・コレオグラファー」という役職がクレジットされています。ゲイ当事者による監修とセックスの「振付」がちゃんと入っている映画なんですよね。
まあその役職を最初から呼んでいたわけではなく、成り行きで制作に参加することになった感じではあるんだけど、真摯に描写しようという姿勢を感じられるかなあと思います。

田舎で抑圧された反動で、ハイブランドに身を包みデザイナーズマンションの最上階に住む主人公の生き方は痛々しくも感じるし、でもそれが彼にとっての自己表現でありある種の「鎧」になっていて、愛おしくもある。
観てすぐの感想でも書いたけど、ゲイだからこその問題もあれば、性別年齢関係なく発生しうる人間関係の問題もあって、いろんな形の愛があってエゴがあって、でもそのエゴって悪いものなのかというとそうじゃないよっていう、そういう映画だったかな。
愛を「与える」のって確かに与える側のエゴかもしれないけど、それがうまく作用しないことだってあるかもしれないけど、でも受け取る側がちゃんと受け取ってくれればそれは悪いものではないんだよね。主人公は相手に手を差し伸べることを通して自分を救おうとしていたところは間違いなくあって、でも最後にはちゃんと救われたよねって信じてる。

「喪失」の話ではあるけど間違いなく「愛」の話だから。
気になったら是非。ていうか私も原作小説買ったものの積んでるから読まないとな。


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