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応募倍率と実質倍率って何?

 今日は都立高校入試の倍率について解説していきたいと思います。受験生の皆さんが意識してみるのは大抵、応募倍率だと思います。それに対して我々塾側のとかが「今年の実際の難易度はどうだったんだろう」とか振り返って参考にしたりするのが実質倍率だったりします。受験関連のサイトとかでよく目にするのもこちら(実質倍率)の方ですね。この二つの数字は結構変動したりするので、そもそも応募倍率・実質倍率って何?どれくらい変わるの?ってところから解説したいと思います。

動画で見る場合はこちら↓


 まず誰でも手に入るデータで見れる都立の倍率というのは、時期に応じて3種類あります。

①応募倍率 ②最終応募倍率 ③実質倍率(受験倍率)

 今年は現段階の予定では令和3年1月29日(金曜日)から令和3年2月4日(木曜日)までの間で郵送にて都立高校に応募することになります。この時点で集計して出されるものが①応募倍率です。募集前に出される「志望校予定調査による最新合格基準」も含めると4つですね。
 そこから私立の入試結果が出たあたりのタイミングで出願する学校を変えたい人は、一度取り下げて、別の学校に再提出することができます。今年は、現段階で日程が2月12日取り下げ15日正午までで再提出ですね。この時点で改めて出される倍率が②最終応募倍率です。

※今後日程の変更の可能性はあるので可能性がある人は注意しておいた方がいいです。都のHPなどで逐一確認しておきましょう。

東京都教育委員会HP
kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/exam/guide2021.html

 ただ、「応募倍率」から「最終応募倍率」にかけての変化っていうのはそこまで大きくはないです。変動があるとしたら中堅どころの学校が若干下がり、それより下の学校の倍率が上がるぐらい。ここの変動は少ないものと思っていいと思います。

 で、そこから、実際に合格した人数に対して当日受験生が何人いたのか、で出すのが③実質倍率というものです。実質倍率の前に募集枠に対して当日受験生が何人いたのかで出す「受験倍率」というものもありますが、「受験倍率」も「実質倍率」も試験を受けた後にわかるものなので、そこの違いはそこまでこだわるものではないです。「受験倍率」と「実質倍率」に変化が生じるのは「合格者の男女比が当初の募集していたものと異なる場合(想定していた募集枠よりも男子の合格者の方が多かった、とか)」なので、受験倍率についてはちょっと話を省きます。

 で、この②最終応募倍率から、この③実質倍率にかけては結構変動が起こります。例えば、私立の合格発表が出そろって、「やっぱり私立でいいか」「都立は応募したけどやっぱり受けない」てなる人は一定数いるので、当然全体的に倍率は低下します。

 じゃあ、どの程度「応募倍率」から「実質倍率」にかけて変化していくのか。これを昨年度(令和2年度入試)のデータをみながら考えていこうと思います。

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 このデータですがW模試の出している昨年度の募集倍率です。都が出しているものもあって、そちらが一次情報ではあるんですけど、こちらの方がよくまとまっていたりするので、ある程度他の学校と見比べながらというときは僕はこちらを見ることが多いです。


 ただ、これでも学校がありすぎて非常に見にくいので、ここではいくつか、第2学区付近で名前が上がりやすい学校をいくつかピックアップしてお話しします。

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 今、並んでいるものが昨年度(令和2年度)の2日目までの倍率、最初の応募時の倍率→最終倍率です。やっぱりここでは大きな変化はないですね。目に見えて変化しているのは松原あたりが下がり、その下が少し上がる。およそ例年こういう動きはします。で、そこから実質倍率になるとどうなるかと言うと

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 こちらはやっぱり変化が大きいです。昨年度に関しては、ほとんどの学校が2倍以下には収まっています。(定員割れが起きた場合は全員が合格する、つまり受験者数=合格者数になるので、実質倍率が1以下になることはありません。)

〇高倍率だった場合はどうなるか?


 ここからさらに、これまでで高倍率(倍率2.5倍以上)だった学校に絞り、昨年だけじゃなくもう少し遡ってみたものも含めて見ていきます。

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 こちらが過去3年間で倍率2.5を越えていた学校の応募倍率→実質倍率にかけての変動です。倍率が2.5程度あったとしても実質倍率では2倍以下まで下がる可能性が高い。とは言えるでしょう。さらに遡ると、これ以上の高倍率をたたき出したときもあるでそちらを見ると

スライド8


 というわけで最初の応募時に2.5倍程度まで→2倍までには落ち着く、
それ以上~3倍を超えるようであれば、実質倍率でも2倍を超えてくる。
っていうのは通常時の大方の傾向かなと思います。まぁ、今年はちょっと例年と異なる要素が多いので、引き続き情報が出たら、逐一、分析・共有していこうと思います。

 では大山でした。

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