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【高校入試】都立独自校の合格ラインは?

 こんにちは、大山です。今日は都立入試における、独自問題を出す学校(進学重点校)合格の当日試験の目標点の出し方についてお話しします。


 進学重点校とは、都立の中でも学力上位層の受ける学校のなかでも英数国3科目が共通試験とは異なる、高校独自の問題を出す学校です。この独自校、共通試験を出す都立高校や私立高校と比べたときに目標にする得点が出しにくいというところがあります。 

目標の目安になる数字が出しにくくなる要因は主に3つ

①内申点によって合格ラインが変わる。

②学校ごと異なる試験を出すので模試のデータが参考になりにくい。

③学校ごとで出される情報にばらつきがある。出されていてもせいぜい平均点程度。

 という事情があります。こういった事情がある以上、目標点というのはあくまで推計で出すしかなくて、今日お話しするものも正確な合格ラインとは異なりますが、何の目安もなく漠然と勉強を行うよりかはある程度自分の位置を把握しつつ学習を行った方がいい場合が多いので、その目安を立てる上で参考になる、かつある程度手軽に手に入る資料でできるものをお伝えしていきたいと思います。

動画で聞く場合はこちら↓

〇まずは内申点でのライバル達との差分を知る。

 まずは内申点での他の受験者たちとの差分を知る必要があります。これは前回と同様に前年度の校長会予備調査による最新合格基準を参考にします。


 ここに、およそ合格者の目安になっている換算内申点が載っているので、自分の換算内申点からここに載っている換算内申点を引き、それを当日の学力検査の得点に直して、自分が当日巻き返さなくちゃならない得点がどの程度あるか、あるいは貯金がどの程度ある状態なのかを把握します。

 換算内申というもの自体がわからない場合は過去の記事で説明しているのでこちらの記事も併せて参考にしてください。

 ここで例を出して、通知表オール4の生徒が都立日比谷高校を受験する場合で考えます。

 この生徒の換算内申は52点。資料で載っている都立日比谷高校の換算内申の目安が58なので

 52-58=-6 つまり換算内申6つ分差がある状態です。

 では換算内申1が当日学力試験では何点分かですが、内申1が学力試験3.3点だと考えてください。

 内申点1点分は全体得点のなかでは1/65×300=4.61..になりますが、当日学力試験の点数は全体得点の中では1.4倍されるので、そこからさらに÷1.4して500点換算した数が3.3です。

 先ほどの生徒が内申点6点分差があったので6×3.3=19.8およそ20点分が、学力試験で巻き返すべき得点ということになります。

〇学力試験での得点の目安

 今度は学力試験での目標点、得られる情報次第で正確さは変わりますが、かなり大掴み、乱暴な目安で言えば3科目各60、理社それぞれ90、計360点、これから先ほど内申点を足したり引いたりするような形が目標として目安になります。(先ほどの例の生徒だと360+20=380が目標の目安)

 この得点ですが、近年の都立独自校だと実質倍率が2倍以下になることが多いつまり平均点がある程度は目安になります。そして大方55~65点程度が平均点の目安になるようにテストが作られる場合が多い。(理社は共通問題と同じなのでみんなが高得点を取ってくる。)そう考えるとかなり大掴みですけど、先ほどの360に自分の内申点による補正をかけたものを目標にする。というのが、何も情報がない場合では合理的だと思います。

 もちろん、各年の平均点を調べた場合はもう少し実態に沿ったものになります。実際のところだと年によっては数学の平均点が40点台とか、英語の平均点が70点を超えているとかそういう場合も多いです。実態を把握するにはネットで「都立独自校・平均点」とか調べればある程度昔のものまでまとめているサイトがすぐ見つかったりするのでそういったものを参考にするといいでしょう。

 当然、男女別の平均点が分かればより詳細にはなるし、その年の倍率によって合格ラインも変わります。けど、そもそも「平均点」=「受験者の真ん中の人のとった得点」でもないので、これはどこまで詳細なデータをかき集めても推計にしかなりません

 「詳細なデータが集まる」ことと「合格に近づく」とはまた別の問題でもあるので、詳細なデータ集めにやっきになる必要もなくて、あくまで大づかみに自分が合格までどれくらいなのかが分かればいいと思います。だから、内申点での差分を知りトータルで「平均点+α」を目指す、ぐらいの認識がいいんじゃないかなと僕は思います。

では、みなさん、またお会いしましょう。

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