『飛び地のジム』第一部 5
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ジーナ・シモンズがそれに気づいたのは、ある晴れた日の午後のことだった。
遮光カーテンの隙間から入ってくる木漏れ陽に目をしかめ、ジーナはこめかみを指で軽く揉んだ。モニターはデータのダウンロード終了を知らせる緑色のインジケーターを点滅させ、次のデータに備えて待機状態であることを教えていた。
ジーナは立ち上がって伸びをすると、モニターに向かって命じた。
「フィルモグラフィを検索して」
「性別、名前?」モニターのコマンドが尋ねる。
「エルドン・テイラー、男性」とジーナがい