図解の効果的な表現方法を増やそう

この記事では私が毎週参加するデザインの勉強会で登場したトピックについて、参加した回ごとにまとめていきます。今回は2回目の「図解の効果的な表現方法を増やそう」の回です。

順番(話の流れ)のつけ方

グラレコをしていて特に難しいと感じるのが紙面全体で話の流れを表現する方法です。場で起きた出来事をそのまま煩雑に記述するのではなく、ある程度順序を整理して記述することでよりストーリーを理解しやすくなります。この項では順番のつけ方に使える表現方法を紹介します。

矢印

矢印

図解の時によく使われる要素である矢印。とても便利なものですが多用したり意味付けを疎かにすると混乱のもとになってしまいます。ストーリーを示す矢印と意味付けの矢印は明確に区別しましょう。

番号

番号の便利なところは配置がばらばらでも順番が分かることです。例えば機械の操作説明をするときに機械の操作部分の画像に数字を載せることで順番を明示的に表現できます。ほかにも自分が訪れた場所を紹介するときに、地図上に訪れた順でマッピングをするなどもできます。写真や地図など配置を変えられないときに番号を用いることでわかりやすく表現できます。

並べ方(漫画風)

並べ方

漫画のように並べ方で順番を示すことができます。横書きのものであれば左から右、上から下に話が進むようにレイアウトすることで話の流れを伝えることができます。

関連するものは近くに配置

隣接

画像のように同じ2×2の配置でも、余白の取り方で視線の流れを変えることができます。

情報を図で表現する

紙面全体のストーリーの流れが付けられたら、次は要素ごとの図解についてです。あらゆる情報はしっかりと整理することで図で表現することが可能です。絵だけでなく表や図式などの適切な図を用いて、わかりやすい表現の引き出しを増やしていきましょう。

箇条書き

箇条書き

項目のつけ方で順番や意味を与えることができます。ただし、「・」のように内容の比重が等しい箇条書きでも、上の項の方が意識が向きやすいため順番を意識して並べる必要があります。

表(テーブル)

テーブル

表は罫線で大きく印象を変えることができます。また、罫線がなくても余白の取り方で表にすることができます。表を作るうえで大切なのはどの情報を注目させるかです。行だけに線を引けば自然に横向きに表を読ませることができますし、項目名だけに線を引けば項目名に意識を向けさせることができます。そして意図的に情報の印象を変えることができるということは、作り手が責任をもって表を作る必要があるということです。受け手に誤った印象を与えてしまわないよう、慎重に情報を扱いましょう。

図式(チャート)

チャート

前述の「順番のつけ方」と類似する内容ですが、特に印象面で表現方法を工夫することができます。同じ工程の説明であっても、並べ方で印象が大きく変わります。

似顔絵

よく世に出回っているグラレコで一番目を引く似顔絵。私は正直描くことが苦手です。しかし、表現方法を理解することで苦手意識を軽減することができます。

絵+文字で下手でも誰なのか示せる

図の一番強いところが文字を使えることです。似ていない絵であってもその下に「○○さん」と書いてしまえばその絵は○○さんを書いたことになります。もちろん特徴をつかめれば一番ですが、まずは割り切ってみるのも苦手意識をなくすために有効です。

特徴を図形で表現してみる

顔の形が丸い人、顎がシャープな人、目の形などは○△□などの図形でも表すことができます。絵画のように精巧でなくても、そうした特徴(第一印象)をつかんで、かつ文字で名前を書いてしまえばその人だと伝えられます。

インプットとアウトプット

割り切る以外に実践的な方法として、似ているキャラクターを真似ることもできます。自分が好きな作品の特徴的なキャラクターなど、すぐに頭に思いつく絵柄だと真似しやすいでしょう。もちろんそれを行うためには作品に触れて頭に入れておくインプットが必要になります。

もう一つはアウトプットです。とにかく描いて人に見せることでいつの間にか苦手意識も薄れていきます。下手だと思っていた自分の絵も、伝わることが実体験として積み重なれば自信に繋がります。自分流の絵柄も確立出来たらますます描くことに自信がつきそうです。

まとめ

情報はそのままにしておくと煩雑で理解することが大変です。しかし、情報を解きほどいて要素ごとにどのように表現できるかを理解していれば、必ずわかりやすい表現をすることが可能です。紙面を作り出す前に、まずは情報の整理から始めてみましょう。

また情報を整理して表現する際には作った人の判断が含まれていることも忘れてはいけません。受け取る側に誤った印象を与えないためにも表現する際には責任をもって情報を加工しましょう。

次回は読み手にフォーカスを当てた内容をまとめていきます。

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