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Yのメール(3)

Yのメールを、Yが反すうする。楽しかった思い出や、私がYに掛けた拙い言葉や。相変わらず、私を責める語気は、ない。なのに私一人が熱くなっていく。

「何かあったか」と聞かれれば、何もない関係だった。「好き」とわざとおどけて絵文字付きで送ったメールが愛の告白なのか否か。それは主観の問題。

2人で出掛けた思い出がデートなのか否か。それも主観の問題。恋愛なんて、「あると思えばある」ものだし、「ない」という強弁だって、もちろんできる。

結局、「恋愛感情」の立証に至らず電話は切れた。「この電話で、この数箇月で、何をどうしたかったか」。それをYに問われれば、私には答えがなかった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。何らか反響をいただければ、次の記事への糧になります。