![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55529186/rectangle_large_type_2_5728701508ac2f156880fb12cfcbd114.png?width=800)
Yのメール(2)
Yのメールにメールで返す気になれずに、かといって、あの白過ぎて静か過ぎる立方体からYに電話する息苦しさに耐えられず、部屋を抜け出してきた。
深夜の町をうろついた後、片道3車線の街道の歩道橋の上で、私は、意を決してYのケータイに電話した。Yが電話を取らないで、と祈りながら。
2コール目でYが電話に出た瞬間、私は既にシドロモドロになり、「もらったメールのことだけど」と口をついて出た私の声が冷淡で、自分でもびっくりした。
「気持ちは嬉しいけど、Yに恋愛感情なんて持てないし、持ったこともないよ」。台無しだ。がっかりだ。「恋愛感情」なんて、一体、誰が使う言葉だ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。何らか反響をいただければ、次の記事への糧になります。