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君の部屋

君の部屋に、君が私を招いてくれた午後のこと。君の生活に、君の臭いに囲まれて、私はただドキドキし、そのくせ、すっかり安心しきっていた。

「ウチの風呂は古いから」と君が気にして、連れ立って銭湯に行った帰り道、「昭和みたい」と平成生まれの君がいって、2人、笑った。

君の町の空は、私の町のそれより随分と広くて、夕焼け雲がキレイだった。ぼんやり見上げていたら、左隣の君がいった。「夕焼け、すごくキレイ」。

肩を並べて同じ夕焼け雲を見て、同じ思いを言葉にしてくれる人がいた。あれは、シアワセな風景だった。


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