見出し画像

#2107127

断捨離ってのはね、自分でやってちゃいつまで経っても終わらないもんだ。そういう息子は、このところ、帰省する度に彼女の身の巡りを整理してゆく。

今日は天袋をあっさり空にして、「ごみ」を携えて帰って行った。その車を見送りながら、彼女は、天袋の中にあった気がするこいのぼりのことを思っていた。

男と女の愛情ならば、離れ離れだった2人が1つになるのが成行きなのに、母と息子では、その逆だ。一体だった2人が時を経て離れ離れになる。

母親ならばそれを望み、後押ししなければならない。母親とは、つくづく因果な商売と思う。あのときあの子と見上げたこいのぼりは、もう空を泳がない。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。何らか反響をいただければ、次の記事への糧になります。