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国際線

国際線の窓から遠ざかる街並みを見下ろしながら、舌打ちしました。「幸先の悪い年明けだなぁ」。

海外で連れが体調を崩して急に心細くなり、旅程を切り上げて飛び乗った飛行機でした。予定していた便のキャンセルはできず、余計に飛行機代を払って。

私たちは、自分の身体や、家族や、地位や財産を自分のものと前提して生きています。それらが損なわれた、と感じる人間が、幸先ウンヌンとぼやきます。

でも、カール・ヒルティは、いいます。

何事においても、「自分はそれを失った」といってはならぬ。「自分はそれを返した」というべきである。

健康や財産なんて、贈り主がいっとき私たちに委ねた預託物に過ぎない。そう考えられれば、もっと謙虚に生きられそうです。でも、ハードルは高い。

彼は、こうもいいます。

諸君にとって最も容易なものから始めたまえ。ともかくも始めることだ。

 

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