水路を抜けて
水路を抜けて湖沼に出た瞬間、視界が一気に開けました。舟は、歩く速さで水面を滑ります。ヨシキリの鳴き声、櫓が水をかく音。あとは、静寂。
「昔から、櫂は3年櫓は3月とか、櫓3年に棹8年とかいいましてね、一番難しいのは、棹です。水底までの距離を正確に読まなくちゃいけない。
そこ行くと、櫓は、難しくない。体重移動だけだから、力もいらない。だから、こんなジイさんでも船頭ができちゃうんです」と彼がいい、乗客が笑います。
舟を進める方法のもう1つ(エンジン)を、でも、彼等は、使いません。ヨシの保護のため、といいます。そのお陰で、私たちは、この静寂を満喫しています。
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