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お好み焼きと結婚記念日

12回目の結婚記念日である。

記念日近い休みの日に、従兄が子どもを遊びに連れてってくれる間、夫と二人でランチするのがよくあるパターンだが、今年はそうもいかないので、家族でお好み焼きを食べに行くことにした。

Go To Eatキャンペーンのポイントが今月末で切れるので使い切るという目的の、なんとも世知辛いものである。お好み焼きにしたのは、単純に先日テレビで「お好み焼き屋さん特集」を観て影響されたからだ。

そのGo To Eatキャンペーンのポイントを使えるお店を探して見つけた、初めて行くお好み焼き屋さんは、こじんまりしながらも新しいようで小綺麗だった。ご夫婦で営んでいるらしい。緊急事態宣言の中、20時で閉まってしまうので早めの夜ご飯である。しかし、店内は一人客やカップル、家族連れなどいっぱいで、繁盛している様子に勝手に「よかったなぁ」とほっとした。(初めて来たくせに)

関西風、広島風、ネギ焼きなど鉄板焼きならなんでもスタイルで、このためにお昼を控えめにし、お腹が空いていた私たちは、いろんな種類を注文した。マスターが焼いて持ってきてくれるのが嬉しい。やっぱり家の鉄板とは違うよね。

私たちはお好み焼きを食べながら、色々話した。

「もうこの先もテレワーク続くっぽいし、思いきって田舎に引っ越すってのはどう?」
「田舎に引越すくらいなら、いっそ海外に引っ越してみるのは?」
「インドとベトナムどっちがいい?」
「でも小学校転校はいやよな」
「そういや中学受験どうする?」
「引っ越すなら中学受験なくていいやん」
「中学受験して、受かったら引越しすればいいやん」

と、とりとめもない実に実のない話を、煙がモクモクの中、ハフハフしながら話した。

美味しくてお腹いっぱい。ごちそうさまー!!

この先どうなるんだろうと不安になる時もあるけれど、同じ未来を共有できる人がいるのはありがたいことだ。
帰って服を脱いだら、すっごい自分がお好み焼き臭くて、妙に現実感を取り戻したけれど、またとりとめない夢を語れたらいいな。
そんなことを思った結婚記念日。

もうすぐ春が、また来る。



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