
英語の比較級を強調させる「much」「by far」「even」の使い分け方とは
英語の比較級とは「私はあなたより美しい」など2つ以上のものを比べるときに使う表現です。
例えば、「私はあなたより美しい」は比較のmoreを用いて
I am more beautiful than you
と言います。
これを強調させて、「私はあなたより”はるかに”美しい」としたいのであれば、比較級を強調する表現”much”を使って
I am much more beautiful than you
と言うことができます。
比較級の強調は非常に簡単ですので、パパッと覚えて当記事を閉じてください。では早速どうぞ。
比較級の強調
先ほど述べた通り、比較級を強調するには「much」などの比較級を強調する言葉を使います。
例えば”much”の他には 「by far=はるかに」「a lot・lots=はるかに」「even・still・yet=いっそう」も比較級を強調する言葉です。
ただし、これらは使えるときの条件がそれぞれ違うのでこれから詳しく解説していきます。
much
muchは冒頭の例文のように、比較級の前に置いて強調の文を作ります。例えば「私は彼より”はるかに”強い」と言う時は、強調のmuchを使って
I am much stronger than him(he)
となります。
ここで疑問として、「比較のthanの後ろってhim?he?」という声がよく上がりますが、それについては後ほど解説したいと思います。
by far
be farもmuchと同じで、比較級を強調させる言葉です。by farは文中に下の2パターンの置き方があります。
・比較級の後ろにつける
・「the+比較級」の前につける
例えば、「私は彼女より”はるかに”背が高い」と言うときは比較級の後ろに強調のby farをつけ
I am taller by far than her(she)
と言うことができます。
もちろん、強調のmuchを使って
I am much taller than her(she)
と言うこともできます。
また、「私は3人の中で”はるかに”背が高い」と言うときはtheが付く比較表現の前にby farをつけ
I am by far the taller of the three
と言うことができます。
もちろん何にでも使える強調の「much」を使って
I am much the taller of the three
と言うこともできます。
a lot・lots
a lot・lotsも比較級を強調させる言葉で、a lot・lotsは比較級の前につけます。※ただし、thanの後ろに名詞ではなく文などが来る際は使えない
例えば、先ほどの例文をそのまま借りて「私は彼女より”はるかに”背が高い」と言うときは強調のa lot or lotsを使って、
I am a lot taller than her(she)
or
I am lots taller than her(she)
と言うことができます。
しかし、「私は10年前よりも”はるかに”可愛いです」と言うときは
I am a lot cuter girl than I was 10 years ago ×
とは言えません。
なぜなら先ほど述べた通り、thanの後ろに名詞ではなく、普通の文がきているからです。上の文はmuchを代わりに使って
I am much cuter girl than I was 10 years ago
と言ってあげましょう。
even・still・yet
even・still・yetも比較級を強調させる言葉で、比較級の前に置き、「いっそう」と訳します。
例えば「私は彼女より”いっそう”背が高いです」と言う時は、
I am still taller than her(she)
I am even taller than her(she)
I am yet taller than her(she)
と言います。
いっそうと言うことは、彼女も実際は背が高くてでもそれよりいっそう私の背の方が高いと言うことです。つまり、彼女も高くて私も高いです。
しかし先ほど解説した「much・by far・a lot・lots」だと「私は彼女より”はるかに”背が高いです」となるので、彼女の背が高いかどうかはわかりません。ただ、私と彼女の背の高さは大きく違うということだけを表しています。
この2つの違いはしっかり理解しましょう。
thanの後ろってhim?he?
先ほどの例文「私は彼より”はるかに”強い」
I am much stronger than him(he)
のthanの後ろはhim?he?という問いの答えは、「himでもheでもどちらでもいい」です。昔は、英語のthanは元々接続詞であり、接続詞の後ろには「主語+動詞」が続くためthanの後ろは主語になるheが正解と言われていました。
I am much stronger than he is strong
略して、
I am much stronger than he
しかし、文末に主語の”he”が来ることに違和感を感じる人や、thanを前置詞と誤解して目的格の”him”を使う人が増えたため
I am much stronger than him
が現在ではむしろ一般的な表現とされています。そして、その変化に伴いthanの品詞の辞書の記載も
・古い辞書→「接続詞」のみ
・新しい辞書→「前置詞」「接続詞」の順
に変化しました。
時代と共に言葉も変化しています。実際にネイティブの友達にthanの後ろはhimを使う?heを使う?と聞いてみたところ、「後者(he)は古い感じがするので前者(him)を使う」と言っていました。だが、テストではどちらでも正解なのでどちらかを書きましょう。
まとめ
英語の比較級を強調する「much・by far・a lot・lots・even・still・yet」はだいたいが比較級の前に置かれる(by far以外)。
「much・by far・a lot・lots」と「even・still・yet」は若干意味が変わる。
・much・by far・a lot・lots→はるかに ・even・still・yet→いっそう
than の後ろは主格でも目的格でもどちらでもいいが、現在は一般的に目的格が使われるようになっている。
以上が、英語の比較級の強調用法でした。