主体的な学びを進めるための9のコツ
①難しい課題を用意する
自分ひとりが分からないのは劣等感を感じる。 特に教科書の課題は、平均的な課題のため、学力の高い子には簡単だし、学力の低い子には難しい。そんな課題を1年間続けると、学力が低位の子は、「周りができているのに自分だけできない」という劣等感を感じる。
でも、みんなが分からない課題は考えたくなる。 「あれ?みんなも分かってないのか。ちょっと考えてみようかな」と。
分からないからこそ、不安だからこそ、交流したくなる。友だちの考えや説明を聞きたくなる。 (逆に分かりきっていることは聞きたくない)
たとえば、教科書の問題でも数だけ変えれば難しくなる。
②授業者の言葉数を減らす
分かりやすく説明しようとすればするほど、話は長くなり、くどくなり、子どもは話を聞かなくなる。 こちらの言葉数を極力減らし「説明できる人?」と尋ね、子どもの声で確認しよう。 子どもの発言の後に、教員が説明するのも厳禁。
③授業開始5分以内に課題へ
最初の5分間、授業者が喋り続けると子どもの目は死んでいき、45分間がそこで終わる。 不要な復習や凝った導入より、魅力的な課題を解き始めた方が意味がある。 授業とは先生が教える時間ではなく、子どもが学ぶ時間。 できるだけ早く子どもに主導権を渡す。
④失敗体験をさせる
「あれ?上手くいかない…」 この体験が頭をフル回転させる。できないから頭を使う必然性が生まれる。 逆に「失敗させないように」と丁寧に説明をするから授業がつまらなくなる。 自分で険しい道を進むから、力がつくし楽しい。大人が障害物を取り除いたら、子どもは面白くない。
⑤アウトプットさせる
できるだけ子どもにアウトプットの場を作る。 予想させる、 判断をさせる、 自分の考えをノートに書く、隣の友だちに話す、ハンドサインで意思表示も立派なアウトプット。 インプットだけの授業は身にならないし、何より面白くない。
⑥個人作業はグループの形で
自力解決は公立小学校では成り立たない。一部の子どもには有効かもしれないが、クラス全員が自力解決に向かえるだけの力を有してないのが現状 。「自分1人だけで分からない問題に向き合え」はただの罰ゲームになる。
グループの形で課題を解けば…
1)分からない時は友だちに聞ける。
2)友だちのプリントをのぞき見できる
3)学力が低位の子にとって支えになる
⑦授業者はボールをもたない
授業者がボール(話題)をもつと、視野が狭くなり、子どもが見えなくなる。判断力に欠け、思考力も低下し、話が長くなる。
一問一答にならないように、意見が出たら
「〇〇の意見についてどう思うか、隣同士で話して」
と他の子に話題をふる。
その間に次の展開を考える
https://twitter.com/capocapo3/status/1122984473744658432?s=20
⑧先生が間違える ボケる とぼける正解だけで進む授業ほど面白くないものはない。 かと言って都合よく子どもは間違えてくれないこともある。だから授業者が間違える。ボケる。 とぼける。そうすると、ツッコミができる子どもが育つ。ツッコミができるということは授業に対して主体的になっているということ。
この先生は油断していると間違える。ボケる。とぼける。 「自分たちがしっかりしないとダメだ」と思わせることがコツ。
⑨孤立している子に早めの声かけ
授業中に不適切な行動(よそ見、読書、手遊び、寝る、立ち歩く等)を取る子は孤立している子。 そんな行動を見たらできるだけ早めに声をかけるべき。放っておくと「見捨てられた」と思い、孤立感が高まる。 行動を無理に改めさせる必要はないが、声かけだけはすべき。
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