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新年度の語り④「自由と責任」

4月からの学級経営を振り返って徒然と書いています。
自分自身の学級経営がどうだったのかを振り返る機会と来年以降につなげる意味で。2日目に伝えた内容です。

 今年は、僕が決めたり、管理したりする部分を少なくして、みなさんが自由にできる部分を増やそうと思っています。初日も、ロッカーの場所や机の場所を自由にしてましたよね。そんな感じで、みなさんが選んだり、決めたり、考えたりする機会を多くします。
 自由には必ず責任が伴います。みなさんも、小さい頃と比べたら自由にできることが多くなっていますよね。子どもに比べたら大人の方が自由にできることも増えます、それは自分の行動に責任を取れるから、です。責任を取るだけの力がついてきたとも言えます。
 逆に言うと、子どもは、大人に比べたら、まだまだ行動に制限があります。それは、まだ責任を取ることが出来ないとされているからです。みなさんが自分で責任を取ることが出来ない時に、責任を取るのは親です。自分の子どもが、あかんことをした時に一緒に謝りにいったり、物を壊したら弁償したりすることで、親が責任を取るんです。
 教室で、みなさんを自由にして責任を取るのは僕です。自由にしたことで、トラブルが起こった場合、そのトラブルを収める責任は、僕にあります。だから、僕が「ここは自由にしても大丈夫」と思えた時に、みなさんを自由にします。基本的に、「やりたいことはやらせてあげたい」主義です。だから、今までも「お化け屋敷がやりたい」「お祭りがやりたい」などは一緒に実現してきました。それは、「この子達だったらお化け屋敷をやっても大丈夫」と、その時の僕が判断したからです。クラスの雰囲気が悪くて、友だちのことを考えられないクラスだったら、とてもじゃないですが「お化け屋敷」なんて出来ません。
 だから僕は、自分で責任を取れると判断したことに関しては、みなさんを自由にしますし、逆に「責任を取れない」と思ったことに関しては、行動を制限します。つまり、「ひねくれ」に「この子達だったら大丈夫」と思わせて欲しいんです。そのために、少しずつ自由にできる部分を増やしていきます。言い方は悪いかもしれませんが、「自由にしてみて、どうなのか」を試しているんです。だから、出来そうなことに関しては、どんどん自由にしていきます、その方が力もつきますし。
 自由になりたかったら力をつけてください。力を示してください。僕も、この学校で結構自由にさせてもらってますけど、それは、ある程度、周りに認められているからです。教師になって1年目には、ここまで自由に出来ませんでした。それと同じです、自由になりたかったら、「自由にさせても大丈夫」と周りに思わせてください。あなたたちの未来は、あなたたちの今の姿から決まります。

 この自由と責任の話は、毎年、子どもたちから多くの反響をもらいます。これが僕の中では、学校教育の真実です。子ども達を管理したい大人は、自由にさせた時のトラブルを恐れているし、トラブルのリスクを恐れているからでしょう。だとしたら、「自由にしてもトラブルは起きない」「トラブルが起きたとしても、解決できる」ことを示すしかないのだと。
 ここまで、包み隠さず、1年間かけて伝え続けています。「自分の未来」は「自分の現在」が決めていくんです。それを実感して欲しいと思っています。

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