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桜の木の下で

卒業式の日、式典の後の教室の前には写真を撮る人やら寄せ書きを書く人やらで溢れかえっていた。

そんな中、僕は彼女を探す。

〇:あっ、美玲さん、今時間ある?

美:〇〇君?ごめん、後ででもいい?

〇:分かった、校庭の桜の木の下で待ってるから

美:ごめんね?

先に桜の木の下で待っていることに。

〇:ふぅ~……、緊張する…

美:〇〇君、何してるの?

〇:うぉっ!

不意に後ろから声をかけられる。

美:何びっくりしてるの~?(笑)

〇:急に驚かせないでよ~

美:それでどうしたの?こんなところに呼び出して

〇:あぁ~、え~っと……

いざとなると、なかなか思い通りの言葉が出てこない。

美:何~?はっきりしてよ~

〇:美玲さん

美:はい

〇:好きです!付き合ってください

美:ふふっ、もちろん!こちらこそよろしくお願いします!
――――――――――
六年後、僕たちは交際六周年を間近に控えていた。

〇:美玲

美:ん?どうしたの?

〇:来週の金曜日、予定空けといてもらえる?

美:…フォーマルドレスの準備しといたほうがいい?

〇:う、うん(笑)

そして金曜日、ドレスコードのあるレストランに来ていた。

美:ここの料理、美味しいね

〇:うん…

美:ふふっ、せっかくのコース料理なんだから楽しまないと

〇:そうだね

そして、デザートも食べ終え店内は僕たちの貸し切り状態に。

〇:…美玲、渡したいものがあるんだ

美:…はい

そう言って僕はテーブルの横に跪き、懐から小さな箱を取り出す。美玲も僕の目の前に立ち、すでに紅潮している頬を手でおさえる。

〇:僕と結婚してください!

プロポーズとともに指輪を美玲に差し出す。

美:……〇〇

💋💕

〇:えっ?

美:…これが私の答え……//

〇:美玲…💋💕
――――――――――
一年後、僕たちは結婚式を挙げた。

(リーンゴーン)

牧:新郎〇〇、あなたは美玲を妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?

〇:はい、誓います

牧:新婦美玲、あなたは〇〇を夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?

美:はい、誓います

牧:それでは指輪の交換を

すると、後ろの扉が開きリングベアラーのフクロウがやってきた。

〇〇:ありがとう

首の蝶ネクタイから指輪を取り出し、おやつをあげると帰っていった。

〇:美玲、左手を出して

僕が美玲の左薬指に指輪をはめると、続いて美玲が僕の手に指輪をはめる。

牧:それでは誓いのキスを

僕は美玲の顔にかかるベールをゆっくりと持ち上げ頭の後ろへ持って行く。

〇:…美玲、綺麗だよ

美:〇〇もかっこいいよ

💋💕
――――――――――
さらに五年後、娘も二人産まれ幸せな家庭を築いていた。

娘1:パパ~、遊ぼ~

〇:いいぞ~

娘2:パッパ、こえ

〇:これか?これは結婚指輪っていって、パパとママの赤い糸なんだよ?

娘1:赤くないよ~?

美:赤い糸は目に見えないんだよ?

娘1:じゃあ赤くないじゃん

〇:パパたちには赤く見えているからね

娘2:み~

美:娘2ちゃんも見たいの?

娘2:あ~

〇:パパたちと同じくらいの歳になったら娘2ちゃんも見えるかもね

娘1:娘1ちゃんも見れる?

美:見れるかもね~

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