パクッ
元旦の朝、私が寒さで布団にくるまっていると、
〇:果歩~、起きろ~
幼馴染の〇〇が私の生命線(毛布&掛け布団)を剥がしに来た。
〇:いつまで寝てんだ、正月から太るぞ
果:…というかね~、女子の寝室にずかずか入ってくるとか何考えてるの?
〇:別に果歩のアホ面の寝顔見ても何も思わないけど…
果:…ぶっ飛ばすよ?
〇〇の顔面に枕を投げつけ部屋から追い出す。
着替えとメイクを終えてリビングに降りると、〇〇は生意気にもソファでお茶をすすっていた。
〇:おぉ、やっと降りてきた
果:うるさい
果母:正月から寝過ぎよ、もうお昼じゃない
果:はいはい
〇:じゃあ、どっか行くか
果:はい?初詣じゃないの?
〇:普通じゃつまらないだろ?
果:普通で良いから、ほら初詣行くよ
〇〇の腕を引っ張り外へ行く。
〇:寒っ
果:…だから布団でくるまってたのに
〇:何で行く?
果:バス?
〇:よっしゃバス停まで走るぞ
果:え?ちょっと待ってよ
何とかバス停で追いつき、バスに乗って神社に向かう。
果:はぁ~、疲れた
〇:身体は暖まっただろ
果:疲れの方が上
〇:(苦笑)
神社が近づくと、敷地外まで伸びる列が見えた。
果:相変わらず長いね
〇:ん?あぁ、初詣なんてそんなもんだろ
バスを降りて、途中で甘酒を買って、列に並ぶ。
果:…やっとお参りできる
〇:長かった~
賽銭箱に硬貨を投げ入れ、心の中で抱負を唱える。
果:(今年も1年健康で、それと……)
〇:……。
果:屋台でお昼買って帰ろ
〇:何食べるの?
果:う~ん、ホルモン煮とかかなぁ
〇:じゃあ、半分貰うわ
果:何言ってるの⁉自分で買いなさいよ...//
〇:良いだろ、俺のも半分やるから
果:(人の気も知らないで...//)
〇:あっ、牛串の屋台、俺買ってくる
果:行ってらっしゃい
〇〇と分かれてホルモン煮の屋台へ向かった。
果:すみません、ホルモン煮1つ
香具師:あいよ
果:それと、割り箸を…いえ、やっぱり何でもないです...//
香具師:…青春してんな(笑)彼氏の分と割り箸2膳だな
果:いや……別に…そんなんじゃ...//
香具師:サービスで大盛りにしたから彼氏と仲良く食べな?
果:…いただきます...//
〇〇と神社の裏手のベンチで落ち合い、並んで座る。
果:いただきます
〇:いただきま~…って、何で果歩割り箸2膳持ってんの?
果:えっとこれは…屋台のおじさんが持って行けって...//
〇:ふ~ん(笑)そうなんだ(笑)
果:……食べる?...//
〇:(笑)じゃあ遠慮なく、いただきま~す
果:…そっちもちょうだい
〇:ほらよ、あ~ん
果:いいよ、自分で持てるから...//
〇:いいからいいから(笑)
果:じゃあ……
パクッ
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