バレンタイン 2018ver
2月14日、私は学校に登校していた。
〇〇:ふぁ~……
学校の最寄り駅を出て、校門をくぐり陸上トラック横を歩いていると、
※※:藤宮くん、おはよ
〇〇:おう、おはよ
確か、他のクラスの同級生だったはずだ。
※※:藤宮くん、これ
そう言って彼女が差し出してきたのは、
〇〇:…チョコレートね、ありがとう
※※:ううん!じゃあね!
私にチョコを渡した彼女はそのまま走り去っていった。
好花:…モテモテやな(笑)
〇〇:うるせぇ(笑)
後ろからやってきた好花に茶化されながら、昇降口までやってきた。
〇〇:……うへぇ~…
下駄箱にはチョコレートが詰められており、入り切らなかったチョコレートが床に散らばっていた。
東江:藤宮、おはよう
〇〇:…おはようございます……
東江:(苦笑)
先生と一緒になってチョコレートを拾い集める。
東江:これで全部か?
〇〇:恐らく…
東江:じゃあ、袋ある?
〇〇:エコバッグなら…
カバンからエコバッグを二つ取り出し、広げる。
(ドサササ……)
〇〇:……(苦笑)
東江:すげぇ……(笑)
チョコレートを袋に詰め終え、教室に向かう。
〇〇:おはよ…
秀将:おはよう(笑)
〇〇:……なんだよ?
俊喜:下駄箱のチョコレート(笑)
〇〇:…ホンマに堪忍……(苦笑)
袋を机の横にかけて、そのまま机に突っ伏す。
秀将:メンバーさんから貰ったん?
〇〇:……まだ…
秀将:ほんなら、まだまだ貰えるな(笑)
〇〇:食いきれんよ……(苦笑)
◇
そして放課後、荷物をカバンにしまい教室を出ようとすると、
※※:あの…、藤宮くん……
クラスメイトの女の子に声をかけられた。
※※:これ…、手作りやけどよかったら食べて…?
〇〇:ありがと
そう言ってニコッと笑うと、
(キャーー!!)
辺りから女子の黄色い声があがった。
俊喜:……女たらし…
〇〇:あんだと、ゴラ(笑)
チョコレートが大量に入ったバッグを肩にかけ、教室を後にする。
昇降口に向かうと、下駄箱には、またチョコレートが入っていた。
〇〇:なんでまた入っとんねん(苦笑)
秀将:(爆笑)
追加のチョコレートもバッグにしまい、靴を履き替える。
〇〇:じゃあまたな
俊喜:おう
秀将:また明日
部活に向かう二人と分かれ、家に帰る。
◇
そして翌日の学校終わり、私は京都駅で好花と合流する
〇〇:あ"〜、疲れた〜…
好花:(笑)これから新幹線やで?(笑)
コンコースで夜ご飯の駅弁を買う。
〇〇:何にしようかな〜
好花:私、牛すきにしよ〜
〇〇:…俺もそれでいっかな〜…
それぞれでお会計を済ませ、新幹線のホームに出る。
〇〇:風強ぇ〜…!(笑)
好花:風よけ…
〇〇:おい!(笑)
好花の風よけにされつつ待つこと15分、新幹線が入線してきた。
〇〇:はい、おはようさん
菜緒:おつかれ
好花:ホンマに(笑)
菜緒の座っている三列シートに菜緒、私、好花の順に座り、お弁当を開封する。
〇〇:いただきま〜す
好花:いただきま〜す
菜緒:…菜緒も食べよ
三人で並んでお弁当を広げている。
好花:…昨日はどんだけチョコ貰ったん?
〇〇:俺?
好花:うん
〇〇:……こんだけ
そう言って、家から持ってきたエコバッグの中身を見せた。
好花:嘘やろ!?(笑)ホンマに!?(笑)
菜緒:…こんなにチョコって貰えるもんなんやな……
〇〇:俺もこんなに貰ったんは初めてよ?
◇
そんなことを話しながら、東京駅に到着した。
MG:お疲れ様〜
〇〇:お願いします
菜緒:お願いします
好花:お願いします
駅を出て、マネージャーさんの車に乗り込む。
ひより:…〇〇、何?そのでっかい袋……
〇〇:なんやと思う?
MG:…バレンタインのチョコレート
〇〇:正解です(笑)
陽菜:えっ?全部貰ったやつ?
〇〇:全部貰ったやつ…(苦笑)
陽菜:いいな〜、陽菜たちも食べていい?
〇〇:いいよ?(笑)だから持ってきたんやし…(笑)
陽菜:やった〜!
そしてホテルに到着し、この日はすぐに寝た。
◇
翌日、例のエコバッグを持ってレッスン場に向かう。
地方組:おはようございま〜す
スタッフ:はい、おはよう〜
〇〇:じゃあ※※さん、昨日電話で話した…
スタッフ:あぁ…、受け取る
スタッフさんにバッグを渡す。
そしてレッスンが開始する。
ダンス:ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト…
ダンス:顔の向き揃えて〜
ダンス:動き出し遅いよ〜
そして休憩時間に。
〇〇:(ゴクゴクゴクゴク……)
〇〇:ふぅ〜……
芽実:〇〇くん
〇〇:っはい
水分を摂っていると、芽実さんに声をかけられた。
芽実:はい、どうぞ
〇〇:あ、ありがとうございます…!
芽実さんからチョコレートを手渡される。
菜緒:菜緒からも
〇〇:ありがとう
好花:はい
〇〇:ありがとう
陽菜:〇〇、
ひより:あげる〜
菜緒と好花からも受け取り、陽菜とひよたんは私に渡した瞬間どこかに走り去っていった。
美穂:…あの二人は何してんの?(苦笑)
〇〇:知らん…(苦笑)
愛萌:チョコじゃないけど、はい、手作りどら焼き
〇〇:おぉ、ありがとう
明里:明里も手作り
〇〇:ありがとう
鈴花:…全部食べ切れる?(笑)
〇〇:みんなから貰ったやつは食べるよ?
美玖:それ以外は…?
〇〇:……あれ…
美穂・明里・鈴花・美玖からチョコレートを貰い、愛萌からどら焼きを貰った私は、部屋の端に置かれたエコバッグを指さした。
久美:あれ何?
〇〇:俺が学校で貰ってきたチョコレートです
久美:全部?
〇〇:はい
美玲:待って、ヤバくない?(苦笑)
〇〇:絶対食べきれないので持ってきました(笑)
メンバーが次々とエコバッグの周りに集まる。
スタッフ:手作りは全部抜いてあるから、好きなもの食べていいよ
史帆:〇〇くん、最初取りなよ
〇〇:じゃあ……
そう言って、板チョコを一枚手に取り、包装を剥がす。
〇〇:いただきます
菜緒:…どう?お味は…
〇〇:うん、普通の板チョコ…(苦笑)
久美:じゃあ、全員で〇〇くんにいただきますしよっか
〇〇:(爆笑)
久美:〇〇くん、
メンバー:いただきます!
〇〇:召し上がれ(笑)
メンバーがチョコレートに群がり、各々好きなチョコレートを取っていく。
スタッフ:…藤宮も大変だな(苦笑)
〇〇:……モテるのはむしろ嬉しいですけどね(笑)
ちなみにメンバーが数えたところによると、バッグの中のチョコレートは全部で113個あったらしい。
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