222-果歩に悩みを打ち明けるすみれ
す:はぁ……、
伊勢型さんに家まで送ってもらい、鍵を閉めて玄関に座り込む。
す:どうしよう……
すみれはスマホの電話帳を開き、スクロールする。
す:…誰に助けを求めるべき……?
スクロールの指が『藤嶌果歩』で止まる。
す:かほりん……
心配をかけまいと、今まで果歩にはストーカーの話をしていなかった。
(……プルルルッ…)
果📞:はい、もしもし
す:果歩、久しぶり……
果📞:…どうしたん、何かあった?
さすが親友、電話越しでもすみれの声色から何か起きたことを察した。
す:……今まで黙っててんけど、私ストーカーに遭ってるの…
果📞:えっ、何で言わなかったん…!?
す:だって北海道にいるのに心配かけられへんし……(涙)
果📞:すみこ……
すみれは思わず涙を零す。
果📞:私に何か出来ることある?
す:…ううん、大丈夫、こっちにも頼りになる人がいるから…
果📞:そっか…、何かあったら遠慮なく言いや?
す:うん、ありがとね…
すみれは果歩との電話を切り、立ち上がって靴を脱ぐ。
◇
一方、電話が切れた果歩はソファから立ち上がり、マンションを出る。そうしてやってきたのは、
(ピンポーン)
〇:はい
果:夜分遅くにごめんな?
〇:いいよ、上がって?
〇〇の部屋だった。
果:お邪魔します
好:…あれ?藤嶌さん…?
中ではリビングで好花がアイスを食べていた。
〇:…で、どうしたの?
〇〇は果歩をテーブルに座らせ、自分もソファに座る。
果:あの、すみこって覚えとる?
〇:…藤嶌の幼馴染で、彩花の大学の同級生の人?
果:そう、そのすみこがストーカーに遭っとるみたいなんよな…
〇好:えっ……、
〇:…どの辺りまでがそれ把握しとるん?
果:分からない、だから〇〇くんのとこ来た…、
果:〇〇くん経由で、彩花さんから詳しい話聞こうと思って、
〇:そういうことか、彩花に電話してみる
そうして〇〇はスマホを取り出し、彩花に電話をかける。
彩📞:もしもし、
〇:もしもし、…宮地さんのストーカーの件で詳しい話聞ける?
彩📞:…そこに果歩ちゃんいる?
果:います
彩📞:分かった、
彩📞:…といっても、すみれちゃん曰く面識がないこと、マンションの部屋まで特定されていること、実際に接触を図ってきてること、くらいしか情報がない…
〇:そっか……、
彩📞:…ただ、こちら側に一人協力者はいる
〇好果:協力者??
彩📞:伊勢型さんっていう私のオタ仲間で、截拳道経験者の同い年
〇:強そう…(笑)
彩📞:ちょうどさっきストーカーが接触を図ってきて、近くにいた伊勢型さんに追い払ってもらったところなの
果:心強い…、
〇:…その伊勢型さんのSNSアカウント教えてもらうことって出来る?DMでコンタクト取ってみる
彩📞:……分かった、後でURL送る
〇:サンキュ
◇
そして彩花から送られてきたURLから伊勢型さんにコンタクトをとることに。
〇:[FF外から失礼します、宮地すみれさんの知人の〇〇と申します、ストーカーの一件に関してお話をしたいと思い、ご連絡させていただきました]
伊勢:[ご連絡ありがとうございます、さきほどチェリーさんから事情は伺っております]
〇:[助かります]
〇:[それで、こちら側から何か協力できることがないかお訊きしたいです]
伊勢:[あまり相手を刺激するわけにもいかないので、現状はこのままで大丈夫です]
伊勢:[今後また何かあった場合はご連絡させていただきます]
〇:[分かりました、ありがとうございます]
少しずつストーカー包囲網が広がっていく。
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