189-菜緒の部屋を移動させる佐々木家
陽菜:お姉ちゃんたち、何してるの?
ある日の夜、お風呂から上がった陽菜がリビングに入ると、久美たちがテーブルの上にパンフレットを広げていた。
久:菜緒用のバリアフリー設備を調べてるの
陽菜:あぁ〜、そろそろ退院出来る感じなの?
久:まだ分からない、けど早めに用意しておいて損は無いかな、って…
陽菜:ふ〜ん…
◇
それから数日後の休日、久美たちは1階の両親や祖母が使っていた部屋にいた。
久:まずどっから片付ける?
愛:ベッド解体する?
久:そうね……
車椅子の菜緒が使えるように、部屋の中を片付ける。
ひより:おはよ〜…
久:おはよう
すると、ひよりが起きてくる。
ひより:何してんの…?
久:この部屋を菜緒の部屋にしようと思って…
ひより:あぁね…
美玖:あ、そうだ
ひより:何?
美玖:ひよりたちでさ、2階の菜緒の部屋にあるもの、こっちに持ってこれるように整理しておいてくれない?
ひより:ん〜
ひよりが2階に上がっていき、年長組は部屋の片付けを再開する。
愛:電動ドライバーってどこにあるっけ?
久:掃除機の近くにない?
愛:見てくる
美玖:…パパの漫画とかどうする?
久:…とりあえず紐で縛って納屋にでも置いとく?
美玖:そうね…
一方で、2階では末っ子組が菜緒の部屋の整理をしていた。
陽菜:まず本棚を動かせるように、中の本とかを出して?
芽依:んっ
折り目が付かないように丁寧に本を取り出していき、本棚の中を空っぽにする。
ひより:洋服どうする?
陽菜:……とりあえずそのままでいいよ
ひより:分かった
ひより:机は?
陽菜:机…、陽菜たちだけじゃ無理じゃない?
ひより:だよね……
きょうだいの机の中で最も大きい菜緒の机。当時は〇〇、久美、史帆、菜緒、ひなのの5人がかりで1時間以上かけて組み立てていた。
陽菜:…お姉ちゃんたちが終わるの待つか…
芽依:そうねぇ…
3人は机を諦め、他の物を整理する。
そしてお昼頃、片付けと整理があらかた終わり、家にいる全員がリビングに集まる。
陽菜:お腹空いた〜…
愛:お疲れ様(笑)
久:お昼どうする?
美玖:何でもいいよ…
久:じゃあマ〇ド行くから、食べたいもの送って?
美玖:うい
愛:行ってきま〜す
ひより:行ってらっしゃい
◇
そしてお昼ご飯を食べた後はいよいよ2階にある菜緒の荷物を1階に下ろす。
史:そっち持って
ひなの:んっ
バイトから帰ってきた史帆とひなのも合流し、荷物を移動させていく。
久:積み上がってる本、蹴らないようにね?
ひより:オーライ、オーライ…
美玖:陽菜と芽依は本を下に運んで?ひよりは机バラすよ
陽菜:分かった
ひより:うい
菜緒の机を最大限運び出せる大きさに分解し、1階に運ぶ。
愛萌:この辺に置いて?
ひより:分かった
久:もうちょい奥行ける?
1階の部屋に机を設置し、ひとまず移動が完了する。
ひより:疲れだ〜……!
美玖:お疲れ様(笑)
菜緒の退院の準備を始める佐々木家です。
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