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夏祭り

ピンポーン

美:はーい

〇:準備出来た〜?

美:うん

〇:じゃあ行くか

美:行ってきま〜す

美母:行ってらっしゃい

今日は〇〇たちが住む町の夏祭り。〇〇は幼馴染みの美玖と夏祭りの会場に向かっていた。

美:どう?浴衣似合ってる?



〇:まぁ似合ってんじゃない?

美:何よそれ〜!はっきりしなさいよ

下駄を鳴らしながら頬を膨らませる美玖。

美:そんなんだから彼女できないのよ

〇:お前も彼氏いないだろ(笑)

美:私は別にいいの

〇:どういうことだよ(笑)

そんなことをしている間に会場に到着した。

美:何食べよっかな〜

〇:何でも好きなのどうぞ

美:じゃあ〇〇の奢りね

〇:奢るか!ボケ!

美:はいはい、行くよ

そう言って人混みに入っていく美玖を、〇〇は必死に追いかける。

〇:美玖、あんまり先に行くな

美:〇〇が遅いんだよ

足を止めず、〇〇の方を振り向く美玖。前を見ておらず、躓きそうになる。

〇:危ない!

美:きゃっ

〇〇が咄嗟に美玖を支え、十数センチまで顔が近づく。

〇:あっ……//

美:……〇〇…もう大丈夫……ありがとう……//

〇:うん……//

お互いに気まずくなり、無言の空間が流れる。

すると、美玖の好物の箸巻きの屋台があった。

美:…〇〇、箸巻き食べたい……

〇:ん…あぁ、分かった

美:おじさん、箸巻き2本ください

香具師:あいよ!

香具師のおじさんが箸巻きを作る間も、2人の間には微妙な空気が流れる。

香具師:箸巻き2本いっちょあがり!

美:ありがとうございます

〇:700円です

香具師:毎度あり!

近くのベンチに腰掛ける2人。

美:…はい、〇〇の分…

〇:サンキュ……

美:………さっきはごめん……//

〇:……いや…別に……//

今までお互いをそういった目で見たことがなかった美玖と〇〇にとって、先程の出来事は相手を意識するきっかけになったのだ。

そして箸巻きを食べ終えた2人は再び歩き始めた。

美:…〇〇は何か食べたいものないの?

〇:また躓くぞ

そう言って美玖の手を握る〇〇。

美:何っ……//

〇:またあんな事故起こされたらたまったもんじゃないよ……//

美:もう……//

手を繋ぎながら屋台を見て回る〇〇と美玖は、しばらくして〇〇の好きなじゃがバターの屋台を見つける。

美:〇〇、じゃがバター食べるでしょ?

〇:あぁ

香具師:へいらっしゃい!

美:じゃがバター2つください

〇:いえ、1つで

美:えっ!?

〇:その代わりお箸2つで

香具師:兄ちゃん、青春してるねぇ〜!

美:……//

400円を支払い、じゃがバターを受け取った〇〇は、美玖の手を引き人通りの少ない高台に移動した。

美:……この場所…懐かしい……

〇:…覚えてる?

美:うん……私と〇〇が指切りした場所……

〇:…指切りの内容は覚えてる?

美:『大きくなったら絶対結婚する!』…でしょ?

〇:ちゃんと覚えてたんだな……

to be continue…

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