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それが私たち三人の日常"だった"。

私には幼馴染が二人いる。

菜緒:〇〇、陽菜、おはよう!

〇〇:おぉ、菜緒、おはよう

陽菜:朝から元気だね〜(笑)

それが、この〇〇と陽菜の二人である。

菜緒:だって今日の給食、菜緒の好きな揚げパンだもん

〇〇:あぁ、そうだっけ?(笑)

陽菜:菜緒って食べるの好きだよね〜

菜緒:そういう陽菜だっていつも給食おかわりするじゃん

〇〇:分かったから俺を挟んで喧嘩するな!(笑)

陽菜:〇〇はどっちが食いしん坊だと思う?

〇〇:知らねぇよ(苦笑)

菜緒:絶対陽菜だね

陽菜:い〜や菜緒だよ

こんなたわいもない会話が私たち三人の日常"だった"。



菜緒:〇〇、おはよ〜

〇〇:ふぁ〜、眠っ……

数年後、高校生に上がったとある冬の日の朝、私は登校中の〇〇を見つけ、隣を歩く。

菜緒:…今日むっちゃ寒いな……

〇〇:う〜わ、今日の最高気温3℃やん、死ぬて…(苦笑)

菜緒:そんなんで死ぬかよ…(笑)

そんなこんなしているうちに、学校に到着する。

陽菜:おはよう

菜緒:あっ、おはよう

〇〇:おう

陽菜とも合流し、教室に向かう。

陽菜:ねぇ、昨日の映画見た?

〇〇:見た見た、あれむっちゃ感動するよな

陽菜:うん、陽菜も泣いちゃったもん…(笑)

菜緒:え〜、菜緒見てない…

陽菜:今日、学校終わったらまた見ようよ

〇〇:いいね

菜緒:え〜、そんな気、使わなくていいのに…(苦笑)

するとチャイムが鳴り、全員が自分の席に座る。



そして学校が終わり、各々が帰り支度を始める。

陽菜:準備出来た?

二人:出来たよ

陽菜:じゃあ行こ?

三人で昇降口を出て、そのまま陽菜の家に向かう。

〇〇:うわっ、雪降ってるじゃん…

陽菜:急げ〜!(笑)

菜緒:(笑)

二人が傘を差して駆け出し、私も二人の後を追う。

二人:お邪魔しま〜す

陽菜:どうぞ〜、今日夜まで両親いないから(笑)

〇〇:なんの報告だよ(笑)

菜緒:(爆笑)

そして陽菜の部屋に行き、テレビで録画番組を開く。

陽菜:え〜っと……、これだ

菜緒:え〜、面白そう…(笑)

陽菜:お菓子の準備は?

〇〇:バッチリ

陽菜:じゃあ、スタート!

そして2時間ほどの映画が終了し、私たちは感傷に浸っていた。

〇〇:すげ〜いい映画よな…

陽菜:うん……

菜緒:特にあの最後のシーン、むっちゃ泣けた…(笑)

袖で涙を拭う。

陽菜:……そういえば時間大丈夫?

〇〇:…あっ、ヤバっ

菜緒:ごめん、帰るね、お邪魔しました〜

〇〇:お邪魔しました〜

陽菜:また来てね〜

〇〇と並んで帰路につく。雪はすでに止んでいた。

〇〇:……なんか嫌なこと思い出すな…

菜緒:ん?あぁ…、そういうことね…

〇〇は、雪が固まってアイスバーンになっている地面に視線を落としていた。

菜緒:いつまで引きずってんだか……(笑)

〇〇:…さっさと帰ろ

菜緒:ういっ

そのまま私たちは早足で家まで向かった。



そして、高校の卒業式の日がやってきた。

〇〇:……俺らも卒業か〜…

菜緒:寂しくなるね…

式典後、家の近くの公園のベンチに三人で座って感傷に浸る。

陽菜:大学は一人暮らしでしょ?

菜緒:うん……

〇〇:一人暮らし…

陽菜:落ち着いたら遊び行ってもいい?

菜緒:やだよ、来ないでよ(笑)

〇〇:なんか散らかされそうでやだわ(笑)

菜緒:(爆笑)

陽菜:人の家散らかさないから〜!(笑)

〇〇:よく言うよ、人ん家遊び来ておもちゃ散らかして帰ってたくせに…(笑)

菜緒:ほんとだよ、いつも菜緒たちが自分で片付けてたんだから…!(笑)

陽菜:まぁ?今は私も大人だから?(笑)

〇〇:変わってねぇくせに…(苦笑)



それから10年の時が経ち、この日は〇〇と陽菜の結婚式が行われた。

菜緒:あの二人もついに結婚か〜(笑)

式が始まるまで、チャペル内で待機する。

牧師:…これから、新郎※※〇〇、新婦河田陽菜の、結婚式を、執り行います

後ろの扉が開き、〇〇が入場してくる。

菜緒:…なんで右手と右足が一緒にきてんねん(苦笑)

ド緊張している〇〇を苦笑いで見守る。

続いて、陽菜もお父様にエスコートされ入場してくる。

陽菜の手がお父様から〇〇に渡され、二人で聖壇を上がる。

牧師:新郎〇〇、あなたは陽菜を妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?

〇〇:はい、誓います

牧師:新婦陽菜、あなたは〇〇を夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?

陽菜:はい、誓います

誓約を終え、二人が指輪の交換を行う。

菜緒:……二人とも指が震えてる…(苦笑)

指輪の交換を終えた二人は、いよいよ誓いのキスへ。

〇〇:陽菜、綺麗だよ

陽菜:〇〇も

(……チュッ)

菜緒:……///

二人の熱さに、見ているこっちが恥ずかしくなってしまった。

その後、結婚披露宴も滞りなく終了し、私は式場を後にした。



それから数ヶ月後、私たちはとあるお寺に来ていた。

菜緒:うわ〜、懐かし〜

〇〇:このお寺、よく三人で遊んでたよなぁ

陽菜:遊んだ(笑)そこのツツジの花の蜜吸ったりしてね(笑)

菜緒:あぁ〜、やってたわ〜(笑)

手水舎で桶に水を汲み、お墓に向かう。

〇〇:…時が経つのも早いもんだよなぁ……

菜緒:ほんと、もう20年近く経つんだもんね…

陽菜:向こうで元気にしてるかな〜?

〇〇:してるよ、きっと……

そう言って二人が手を合わせるお墓の石には『小坂家之墓』と彫られていた。

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