160-クレーマーの相手をするひなの
ひなの:おはようございます
店長:はい、おはよう
ある日、バイト先にやってきたひなのは、タイムカードを押しシフトに入る。
客:すいません
ひなの:はい、お伺いします
客:お水交換してもらえますか
ひなの:かしこまりました
ピッチャーを回収し、新しいものと交換する。
ひなの:お待たせいたしました
客:ありがとうございます
店:佐々木さん、3番卓オイルキャベツお願いします
ひなの:はい
ひなの:お待たせしました、オイルキャベツになります
客:ありがとうございます
ひなの:お済みのお皿、お下げいたします
客:あっ、このグラスにもう一杯生ビールお願いできますか?
ひなの:かしこまりました、少々お待ちください
ひなのは3番卓のタッチパネルを操作し、生ビールを一つ追加してから厨房に戻りグラスにビールを注ぐ。
ひなの:お待たせしました、生ビールになります
客:ありがとうございます
(ガシャンッ…!)
すると、別のテーブルからグラスが割れる音がした。
客:あっ…
ひなの:お客様、お怪我は大丈夫ですか?
客:すみません…!
ひなの:ただいま、おしぼりお持ちいたします
店:お客様、こちらおしぼりになります
ひなの:ごめん、ほうきとちりとり持ってきてもらえる?
店:分かりました
ひなのがおしぼりを一つお客様に渡し、ひなのも床やテーブルのこぼれた飲み物を拭き取る。
店:もってきました
ひなの:ありがと、そしたら7番卓さんのお会計お願いできる?
店:あ…、やりかた分からないです…
ひなの:(笑)分かった、私行くから破片の片付けお願い
店:はい
ひなのは立ち上がり、レジに向かう。
ひなの:お待たせいたしました、バインダーお預かりします
店:…店員さん、手、怪我してますよ?
お客様からバインダーを受け取ろうとしたとき、そう指摘されたひなの。指された場所を確認すると、確かに血が出ていた。
ひなの:すみません、少々お待ちください
ひなのは急いで厨房に戻り、救急箱の中から絆創膏を取り出す。
ひなの:ごめん、絆創膏指に貼ってくれない?
店:グラスで切ったんですか?
ひなの:たぶん…
同じバイトの人に絆創膏を貼ってもらい、レジに戻る。
ひなの:大変お待たせいたしました
客:大丈夫ですか…?
ひなの:はい、バインダーお預かりします
ひなの:お会計が、2980円になります
客:d〇comoで
ひなの:かしこまりました、こちらにお願いします
ひなの:ありがとうございました
客:ごちそうさまでした
◇
夜も22時近くなったころ、お客様の会計を終えたひなのが厨房に戻ろうとしたとき、
客:注文した料理がまだ来ないんだけど~?どうなってんの~?
酔っぱらったお客様に声をかけられた。
ひなの:少々お待ちください
念のため、厨房に確認を取る。
ひなの:12番卓、注文入ってますか?
店長:いや?入ってないけど…
ひなの:ですよね……
確認を終えたひなのがフロアに戻ると、バイトの後輩がそのお客様に絡まれていた。
客:だ~か~ら~、早く持って来いって~
ひなの:お客様、ご注文履歴を確認いたします
客:あ~?
店:佐々木さん…
ひなの:※※くんは持ち場に戻っちゃって?
店:はい
ひなのが座席のタッチパネルを操作し、お客様の注文履歴を確認する。
ひなの:…お客様、何も頼まれていないようですが、もしあれでしたらご注文お伺いしますよ?
客:んなわけないだろ~?俺はちゃんと注文してるんだから~
ひなの:っ……
ひなのはとっさにこみあげる怒りを抑え、あくまで冷静に対応する。
ひなの:お客様、ご注文お伺いします
客:あ~?…焼酎ロック
ひなの:かしこまりました
ひなのは立ち上がり、頭を抱えながら厨房に戻る?
店長:大丈夫だった?(苦笑)
ひなの:えぇ…、12番卓焼酎ロックです……
店長:かしこまり、…佐々木さんそろそろ時間だしちょっと早いけどあがっていいよ
ひなの:わかりました、お先失礼します
店長:はい、おつかれ~
クレーマーに絡まれたひなのです。
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