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12-佐々木○○と松田芽実の背景

ク:陽菜ちゃん、パス!

陽:オッケー…(ズサー)痛っ

体育の授業中でサッカーのプレイ中、陽菜は躓き膝を擦りむいた。

先:(ピー)佐々木、大丈夫か?

陽:すみません、保健室行ってきます

先:あぁ、保健委員付いてってやれ

陽:いえ、一人で大丈夫です

先:そうか分かった、気を付けて行けよ?(ピー)試合再開

陽菜は体育館横の水道で傷口をゆすいだ後、保健室に向かった。

(ガラガラ)

陽:失礼します

?1:あら、中等部の1年生?どうしたの?

陽:1年2組の佐々木陽菜です。体育の授業中に膝を擦りむいてしまって…

?1:あらら…砂は水道で落としてるみたいだから消毒ね

?1先生が薬品戸棚に消毒と脱脂綿と絆創膏を取りに行ってる間長椅子で待っていると、手前の机に座っている?2と目が合った。

?2:……何?

陽:いえ、何でもないです

?1:陽菜ちゃんお待たせ

消毒をして絆創膏を貼ってもらい、処置が終わった。

陽:ありがとうございます…えっと~…

?1:(笑)養護教諭の潮紗理菜です、よろしくね

陽:すみません、潮先生

7限目だったので授業が終わるまで保健室で待つことにした。

潮:もう学校には慣れた?

陽:はい…勉強は大変ですけど(笑)

潮:そういえば…佐々木陽菜ちゃんよね?佐々木〇〇君って知ってる?

陽:えぇ、〇〇は私の兄です、私の兄がどうかしたんですか?

潮:〇〇君はね、中等部の時に一時期保健室登校してたんだよ?

(ガタッ)

陽:(ビクッ)

?2が座っていた椅子が鳴り、陽菜は驚いてしまった。

潮:あ、芽実ちゃんごめんね?デリケートな問題だったよね?

芽実:……いえ…

陽:芽実…さん……

芽実:その話聞いても良いですか?

潮:良いわよ

芽実は椅子を二人の方向に寄せ、潮先生の話に耳を傾けた。

潮:そうね…時期はちょうど芽実ちゃんと同じ1年生の半ばから。頭が良すぎて周りに馴染むことが出来なかったの。たぶん今もクラスメイトや教師とは距離を置いていると思う。

芽実:そうなんですね…

陽:…芽実さんの理由も知りたいです

芽実:私は……この顔と人見知りが原因でいじめに遭ってるんよ

陽:確かに美人ですけど…それがいじめの原因に?

潮:〇〇君と芽実ちゃんの共通点って何か分かる?

陽:ん~、他の人より何かに秀でていること、ですか?

潮:ほぼ正解かな、二人とも少数派いわゆるマイノリティと呼ばれる人たちなのよ

芽実:社会ではマイノリティが排除される傾向にあるんよ

陽:…でも美玲さんや彩花さんや好花さんがお兄ちゃんを理解しようとしてくれたみたいに、芽実さんにもそういう人が現れればみんなと一緒に学校生活を送れますよね?

芽実:好花…⁉苗字は?

陽:え?確か…松田さんだったと思います

芽実:…松田好花は私の姉なんよ

陽:そうだったんですね、芽実さんも好花さんと同じで優しいんですね

芽実:……うちは別に優しないわ

芽実はそっぽを向いてしまった。するとその時

(ガラガラ)

〇:失礼します

潮:あら、〇〇君、どうしたの?

〇〇が保健室にやってきた。

〇:陽菜の担任から連絡受けたので

芽実:…あなたが〇〇さん?

〇:…松田の妹ちゃん?

芽実:…姉から聞いたんですか?

芽実が不機嫌な顔になる。

〇:いや、松田がいつも妹ちゃんと帰ってるのと、机の上の筆箱がお揃いだったから、もしかしたらと思って

芽実:…学校生活楽しいですか?

〇:……はっきり言って全く楽しくない、でも松田たちと一緒にいるのは楽しいよ?

好:先輩、恥ずかしいこと言わないで下さい...///

タイミングよく好花が保健室にやってきた。

芽実:…もう行くん?

好:せやな、じゃあさようなら

芽実:さようなら

潮〇陽:じゃあね

松田姉妹が帰ると、〇〇たちも帰る準備をする。

〇:陽菜は歩いて帰れそう?

陽:ん~、分かんない!

〇〇の質問に屈託ない笑顔で返す陽菜。

〇:はぁ~、保健室の電話借りますね

潮:どうぞ(笑)

後ろ暗い背景を持つ〇〇と芽実です。

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