寝顔は国宝級
(ドンドン)
芽:にぃに、いる?
〇:いるけど…どうしたの?
僕の名前は東村〇〇。ある日自分の部屋で勉強していると、妹の芽依が部屋にやってきた。
芽:にぃに、遊ぼ!
芽依の手にはぬいぐるみが二つ握られていた。
〇:…もう少しでお勉強が終わるから、にぃにのベッドで待っててくれる?
芽:分かった!
速攻で勉強を終わらし、芽依のところへ行くと、
芽:お勉強終わった?
〇:終わったよ
芽:じゃあ、芽依のお部屋行こ?
〇:分かった
芽依の部屋に着くと、座布団に座るように指示される。
芽:にぃにはこの子持って
そういって、ほっぺがオレンジ色の黄色いひよこを持たされた。
芽:芽依はこの子
芽依が持っていたのは、色褪せたし〇じろうのぬいぐるみだった。
〇:何のおままごとやるの?
芽:にぃには接待でキャバクラに行った旦那さん、芽依はそれを問い詰める奥さん役ね
〇:(……絶対にク〇ヨンしんちゃんのリアルおままごとに影響されたな…)
〇:…ちなみに『接待』とか『キャバクラ』が何か知ってる?
芽:知らない!
我が妹が社会の毒牙に罹っていなくて一安心した。
芽:じゃあやるよ
〇:はいはい
芽:「あなた!この名刺何よ!」
〇:「どこでそれを…」
芽:「あなたの上着のポケットの中に入っていたのよ!」
〇:「違うんだ!会社の付き合いで仕方なく行ったんだ!」
芽:「言い訳なんか聞きたくないわ!」
―――――――――――――――――――――――
十分ほどおままごとしたところで、
芽:にぃにおやつ食べたい
〇:じゃあ、食べに行こっか
そうして一階のリビングに降り、シュークリームを数個皿に盛り、ローテーブルに置く。
芽:いただきます!
〇:召し上がれ
芽依が大口でシュークリームを頬張る。
芽:おいひい~!!
〇:芽依、クリーム付け過ぎ(笑)
そういって、ティッシュで芽依の口の周りに付いたクリームを拭いとる。
芽:にぃにありがと
〇:どういたしまして
そう言いながらまた口の周りをクリームでベタベタにするので食べ終わるまで口を拭くのはやめた。
芽:ごちそうさまでした!
〇:お粗末さまでした
芽:にぃに、次はプ〇レールで遊ぼ!
〇:お昼寝はしないの?
芽:しない!!
〇:しなさい(笑)
芽:えぇ~
嫌がる芽依を抱っこし、ベッドまで連れていく。
〇:おやすみ
芽:んっ……
芽依に布団をかぶせ、しばらく寝かしつけていると、
芽:💤💤
芽依が眠りについたので、起こさないように部屋を出て、そっとドアを閉める。
スマホの専用アプリを開くと、枕元に置かれたカメラからの愛しい妹の寝顔が映し出された。
〇:…この寝顔は国宝級だな
to be continue...
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