172-銭湯に行く好花たち
好:冷たっ…!
ある日、好花が流しで洗い物をしていると、急に水道のお湯が冷たくなった。
芽実:どうしたん?
好:…たぶん給湯器が壊れた
芽実:あらら、じゃあお風呂は銭湯…?
好:そうやと思う…
◇
好:準備できた?
芽実:うん
そうして夜、好花たちは近所の銭湯に向かった。
好:こんばんは~
番頭:いらっしゃいませ
好:大人二人です
番頭:1,100円になります
好:ちょうどで
番頭:では、いってらっしゃいませ
番頭台で入浴代を支払い、脱衣所に向かう。
好:銭湯なんていつぶりやろ…?
芽実:さぁ……?
服を脱いでロッカーに荷物をしまった二人は、扉を開けて浴場に入る。
好:ふぅ~……
入口横で掛け湯をして、洗面台に向かう。
芽実:……そろそろ髪切ろっかな…?
芽実が髪を洗いながら、そんなことをつぶやく。
好:…せっかくそこまで伸ばしとるんやし、軽く整える程度でええんちゃう?
芽実:そうかな…?
シャワーで泡を洗い流した二人は、水気を絞って立ち上がる。
好:あ"ぁ~……
芽実:(笑)
掛け湯をして湯船に浸かる二人。
好:沁みる~……!
芽実:他にもお客さんおんねんから静かにせぇや(笑)
好:はぁ~……
芽実:聞いてないし……(苦笑)
縁にもたれかかってくつろぐ好花と、それを呆れた目で見つめる芽実。そんな二人を周りは微笑ましそうにみていた。
好:……そんで、高等部に上がる準備は出来たん?
芽実:ん?…あぁ、大丈夫やろ、同じ学校やし……
好:んな適当な…(苦笑)
芽実:お姉ちゃんこそ、そろそろ引っ越しやろ?
好:うん、いろいろあって四月に入ってからやけど…
芽実:静かになるな~…(笑)
好:寂しいくせに…(笑)
芽実:ええよ別に、私もたぶん大学進学で家出るし
好:へぇ~、どこ行くん?
芽実:決めてない、けど高卒で働く可能性も無きにしも非ず
好:ふ~ん、まぁええんちゃう?知らんけど…
◇
しばらくして、身体が温まった二人は湯船を出る。
好:ちょっと入りすぎたかもね…
芽実:早いとこ上がろ…
脱衣所に移動し、全身を拭く。服に着替えたら、備え付けのドライヤーで髪を乾かす。
芽実:よろしく
好:はいはい…
好花と芽実は交代交代でお互いの髪を乾かしていく。
芽実:……よしっ、オッケー
好:どうも
脱衣所を出た二人は、外の自販機でビン牛乳を買う。
好:くぅ~!
芽実:(笑)美味しっ…
銭湯に行った好花と芽実です。
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