けっこんとどけ
〇〇:[もうすぐで着きます]
ひより:[了解です]
この日、私は幼馴染のひよりとご飯を食べに行く約束をしていた。そして、集合場所の居酒屋に到着し、暖簾をくぐる。
(ガラガラガラ…)
店員:いらっしゃいませ
〇〇:👉
店員:どうぞ
お店に入ってすぐにひよりを見つけ、席に向かう。
〇〇:お待たせ
ひより:大丈夫、何飲む?
さすが九州人、開口一番に酒が出てくる。
〇〇:私はハイボールでいいかな~…
ひより:すいません
店員:はい
ひより:ハイボールと生をどっちも大ジョッキで
店員:かしこまりました
しばらくして、飲み物とお通しがやってくる。
店員:ごゆっくりどうぞ
ひより:乾杯するよ
〇〇:はいはい
二人:乾杯
乾杯後、一気にジョッキを傾ける。
(ゴクゴクゴクゴク……)
〇〇:くぅ~!
ひより:沁みる~!
話はお互いの近況報告に。
〇〇:(笑)…そんで、日向坂の活動はどうなの?
ひより:え~っとね、選抜落ちた
〇〇:あら…、さらっと言うたな
ひより:まぁね~…、なんでだろ?
〇〇:しらんがな(笑)
ひより:そういう〇〇こそ最近はどうなのよ
〇〇:アルバイトでお客さんぶん殴ってバイトクビになった(笑)
ひより:ブフッ…、何しとんねん!(笑)
〇〇:お互い大変だな…(笑)
ひより:〇〇と一緒にすな(笑)
その後、料理も注文しお酒がすすんでいく。
◇
ひより:ん"んっ……
〇〇:…酔いつぶれてんな~……
十杯ほどのアルコールで喉を潤した頃、ひよりは酔っぱらって潰れた。
〇〇:私と飲むといつも潰れんだから…(苦笑)
〇〇:すいません、お会計お願いします
店員:かしこまりました
そうしてお会計を済ませて、ひよりをおんぶしてお店を出る。
〇〇:現役アイドルが男におんぶされるなよ、毎度のことながら…(苦笑)
ひより:ん~?何か言った?
〇〇:何も
ひよりの家に着き、ベッドにひよりを寝かせる。
〇〇:明日は…、八時起きか……
ひよりのカレンダーのスケジュールからアラームをセットし、布団を被せる。
〇〇:風邪ひくなよ
ひより:……〇〇…
〇〇:何?
ひより:愛してる…
〇〇:…あっそ、俺以外と飲むときは潰れるなよ
ひより:ん~……💤💤
私はひよりの言葉を適当に流して、立ち上がって玄関に向かっていると、壁の額縁にあるものが飾られていた。
〇〇:…まだ残してるんだな……(笑)
それは、幼稚園のときに二人で書いた『けっこんとどけ』だった。
そして数年後、正式な『婚姻届』を市役所に提出した。
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