なんで炎天下の中プール掃除しなきゃいけないんだよ
〇:クソ暑い〜!!
久:〇〇君、気持ちはわかるけど手動かして
俺は夏休みにも関わらず学校に登校させられ、プール掃除を命じられていた。
〇:佐々木はよく耐えられるな
久:プール掃除なだけマシでしょ…学校菜園の草むしりしてる人や排水溝の泥掃除してる人もいるんだから
〇:うへぇ、考えただけで嫌になる
何故俺たちがこんなことやっているのかというと、1か月前まで遡る……
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先:悪いがお前ら、夏休みに学校来て校庭の掃除やってくれないか
ク:え、なんでですか?
〇:嫌ですよ
ク:俺ら夏休み満喫するので
久:他をあたってください
ク:そうですよ
先:今年はうちのクラスから出してくれって言われたんだよ
全:え〜!
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そんなこんなで炎天下の中、必死にブラシを擦っているわけである。
久:プール掃除にもう少し人材を割いてもらいたいっていうのはあるけど…
〇:確かに2人で25mプール掃除は荷が重いわ(笑)
文句言いながらもしばらくプールとにらめっこしていると、
久:ねぇねぇ〇〇君、こっち見て!
〇:何?どうしたの?……ッガハァ…!
振り向いた瞬間、顔面に大量の水が襲いかかってきた。
久:いぇ〜い!引っかかった〜!
〇:佐々木〜!やりやがったな!
よく見ると佐々木の手にはホースが握られていた。
〇:もう〜、制服びしょ濡れなんだけど…
久:中に水着着てるんだからいいじゃん
ふと、前日に佐々木に『明日濡れるかもしれないから、水着中に着てきてね』と言われたことを思い出した。
〇:…お前、端から濡らす気だったろ?
久:さあ〜?何の事かな〜?
〇:へぇ〜……アッ、テガスベッタ!
そう言って、俺もプールサイドに置いてあったホースで佐々木に放水してやった。
久:ちょっ、嘘でしょ!?
佐々木も見事に全身びしょ濡れに。
久:もう…まぁ、自分で蒔いた種だから何も言わないけど…
〇:取り敢えずお前は着替えてこい、どうせ着替え持ってきてるんだろ?
久:まぁね、〇〇君は着替えないの?
〇:俺はこれでいい
そう言ってワイシャツを脱ぎ、佐々木に渡した。
久:イイ身体をお持ちで(笑)
〇:うるせぇ(笑)さっさと行け!
行く途中にもう一度、佐々木が水をかけてきたが、無視して掃除を続けた。
そしてその後は特にハプニングも起こらず、無事?にプール掃除を終えた。
久:〇〇君、お疲れ様
〇:あぁ、誰かさんのせいでな
久:ごめんて(笑)
俺は佐々木から貰ったアク〇リアスを一気に飲み干した。
〇:他の人たちはもう終わってた?
久:だいたいは終わってたかな
〇:ふ〜ん…
久:なんというか…こういうのも青春だよね
西に傾き始めた太陽を見上げながらつぶやく佐々木に、思わず吹き出してしまった。
〇:ブフッ、嫌がってた奴の発言かよ(笑)
久:ちょっと、笑わないでよ(笑)
俺と佐々木はそのままプールサイドに寝転がった
〇:どうせならひと夏のアバンチュールとかしたいよな
久:頑張れ〜
〇:佐々木は恋愛とか興味無いの?
久:ないと思う?
〇:さぁね…(笑)
俺と佐々木はお互いに顔を見合わせ、微笑んだ。
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数週間後……
久:〇〇君〜、遅いよ〜!
〇:そんなに急がなくても、水族館の魚たちは逃げないよ(笑)
あの後、佐々木から告白されて付き合い始めましたとさ。
to be continue...
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