265-お正月の女の子に遭遇したひなの

数日前……、

ひより:おはよ〜、

久:おはよ、晃坂から手紙来てるわよ

ひより:おっ、ほんとに?

ひよりは久美に手渡された封筒を開ける。

ひより:うっしゃ〜!一次突破〜!

久:よかったね、朝ごはん食べちゃいなさい

ひより:ういっ!

◇

そして二次審査の前日、ひよりはひなの同伴の元、福岡に向かうことに。

ひより:……誰待ち?

長崎駅にて、ひなのはひよりの手を引き壁際に寄る。

ひなの:…本人から聞いてないの?

ひより:誰?

するとちょうど、

芽実:お待たせしました

芽実が到着する。

ひより:あぁ〜、保護者がいないのか、

芽実:うん…(苦笑)

母親は仕事、姉は北海道のため、芽実はひなのに保護者になってもらい、一緒に福岡に向かう。

芽実:…ひなのさん、左腕どうしたんですか?

ひなの:(苦笑)…バイト中に割れた食器で切ったの…、

芽実:えっ、大丈夫ですか…?

ひなの:うん、まぁ、何とか…(苦笑)

◇

福岡に到着した3人。先にホテルにチェックインする。

芽実:…これ、私の分のホテル代です

ひなの:分かった、受け取るね

チェックインを済まし、部屋に向かう。

ひより:お邪魔しま〜す

ひより:おぉ〜!

ひなの:(笑)

芽実:荷物どこ置きます?

ひなの:適当にこの辺でいいんじゃない?

ホテルに荷物を置いた3人は夕食を食べに向かう。

ひより:何食べるの〜?

ひなの:博多ラーメン

芽実:オーディション前にニンニクですか?(笑)

ということでネットでオススメされていたラーメン屋にやってきた。

店:いらっしゃいませ

ひなの:3人で

店:カウンターどうぞ

3人はカウンター席に座り、メニューをとる。

ひなの:何にしようかな〜

芽実:ん〜、

ひより:ひよたん決めた!

そうして各々ラーメンを注文し待っていると、

店:いらっしゃいませ

新しいお客さんがやってきた。

店:カウンター席どうぞ

ひなの:……?

そうして隣に座った女の子に、ひなのはどこか見覚えがあった。

ひなの:……｡

すると、女の子がひなのの視線に気付く。

？:…何ですか?

ひなの:ん〜……、

？:あの〜…、

？父:…うちの娘がどうかしました?

ひより:お姉ちゃん…?

ひなの:…あっ!

？:えっ?

ひなの:お正月に長崎で交通事故に遭わなかった?

？:えっ?まぁ、はい…、

？母:…どちら様で?

ひなの:あ、佐々木ひなのです(苦笑)

？母:…あぁ!その節はありがとうございました…!

その子の両親が立ち上がり、ひなのに頭を下げる。

？:佐々木さん…って私を助けてくださった…?

ひなの:よかった〜、元気になったんだね?

？父:おかげさまで、こんな形でのお礼になって申し訳ありません

ひなの:いえいえ(笑)

？:ありがとうございました

ひなの:え〜っと…、森田莉奈ちゃんだっけ?

莉:はい

ひなの:傷跡とか大丈夫?

莉:…少しだけ跡残ってますけど概ね大丈夫です、

ひなの:よかった〜(笑)

偶然、お正月の女の子に遭遇したひなのです。