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200-退院する菜緒

(コンコンコンッ……)

菜:はい

ひより:お姉ちゃ〜ん

美玖:菜緒、ただいま

菜:おかえり、お疲れさん

ある日、菜緒の病室にやってきたひよりと美玖。あれから菜緒は順調に記憶障害や内蔵機能が回復していき、一時退院が認められた。

医師:体調に違和感とか無い?

菜:はい

病室で医師の検診を受け、退院の許可をもらう。

看護師:点滴外しますね

菜:はい

美玖:荷物はこれだけ?

菜:あと、テレビの下のところにテレビカード入ってる

美玖:オッケー

ひより:持ち上げるよ?

菜:お願い

ひよりは菜緒をお姫様抱っこして、車椅子に乗せる。

美玖:オーケー、忘れ物ない?

菜:たぶん…

美玖が荷物を持ち、ひよりが車椅子を押して病室を出る。

そして外に出ると、

菜:暑っ……!

ひより:(爆笑)

美玖:ここ一週間くらいで一気に気温上がったからね〜(笑)

菜緒は外の暑さに驚愕の声をあげた。

美玖:車乗せれる?

ひより:大丈夫じゃない?

ひよりは菜緒の脇に腕を通し、持ち上げる。

美玖:頭ぶつけないようにね?

菜緒を車のシートに乗せ、ドアを閉める。

美玖:出発するよ

ひより:ういっ

それぞれ運転席、助手席に乗り、車を発進させる。



そして家に到着し、駐車場に車を停める。

美玖:着いたよ

菜:…んっ……

寝ていた菜緒は目を覚ます。

ひより:行くよん

ひよりは、また菜緒をお姫様抱っこをして家の中に入る。

ひより:よっこいしょ…

菜:??部屋移したの?

ひより:あぁ、そう、お姉ちゃんの生活範囲を1階に集約しよう、って…

菜:ふ〜ん…

ひよりは菜緒をベッドに寝かせる。

ひより:じゃあね〜

菜:はぁ……(苦笑)

ひよりはそのまま菜緒の部屋を出て、自分の部屋に帰った。



そして夜、みんなが家に帰ってくる。

陽菜:ただいま〜

菜:(笑)おかえり

家に帰ってきて真っ先に菜緒の部屋に向かう陽菜。

陽菜:なんか新鮮〜

菜:みんな帰ってきてるの?

陽菜:いや、まだじゃない?

すると、

ひなの:おっ、おかえり

菜:ただいま(笑)

ひなのも帰ってくる。

ひなの:もうそろご飯できるよ

菜:分かった、

菜緒はベッド横に車椅子を寄せ、車椅子に乗り移る。手動で車椅子を漕ぎ、ダイニングに向かう。

美玖:もうすぐでできるよ

菜:おけ

菜緒は車椅子をテーブルに寄せ、ブレーキをかける。

美玖:ひより、陽菜、運んで?

ひより:ん〜

そして食卓にご飯とおかずが並ぶ。

美玖:いただきます

全:いただきます

美玖:…どう?久しぶりの家のご飯は?

菜:美味しいよ

(ガチャッ)

芽依:ただいま〜

愛:疲れた〜…

すると、芽依と愛萌も帰ってくる。

美玖:おかえり

愛:菜緒もおかえり

菜:ただいま(笑)

ひなの:ごちそうさま

菜:あれ?早いね…

ひなの:レポート書かなきゃいけない

菜:あぁね(笑)



そして夜ご飯を食べた菜緒たちはお風呂に入ることに。

美玖:ひより、ひなの、菜緒のことお風呂に入れてもらえない?

ひより:(苦笑)

ひなの:はい、行くよ

ひより:は〜い

菜緒を脱衣所に連れていき、洋服を脱がせる。

ひなの:よしっ、入るよ

菜:うん

菜緒を浴室内の椅子に座らせ、ひなのも服を脱ぐ。

ひなの:お待たせ

菜:大丈夫

菜緒の髪をシャワーで濡らし、シャンプーを手に取る。

ひなの:……。

菜:さすが上手いね(笑)

ひなの:そりゃ、"美容総合学科"在籍ですから(笑)

菜:将来は美容師?

ひなの:かな〜?美容師免許は取るつもり…

菜:そっか、じゃあ私の専属美容師になってもらおうかな…?(笑)

ひなの:あぁ、内定取り消しとか無かったんだね?

菜:うん、事情を説明したら、そのまま採用してくれるって……

ひなの:良かったね…

そしてシャンプーを洗い流し、身体を洗ったら湯船に入れる。

菜:なんか不思議な感じ…(苦笑)

ひなの:だって抱っこしとかないと溺れちゃうじゃん(笑)



そして30分後、

菜:そろそろ上がりたい

ひなの:分かった、ひより〜!

ひより:は〜い!

ドアの向こうにひよりがやってくる。

ひなの:せ〜のっ、

菜緒を抱え上げ、脱衣所に連れていく。

ひなの:洋服濡れるよ?

ひより:大丈夫、すぐ洗濯機入れるから

菜緒をひよりに託し、ひなのは自分の身体を拭く。

芽依:お姉ちゃん、服持ってきたよ

ひなの:ありがと

菜緒を着替えさせ、ドライヤーで髪を乾かす。

ひなの:よしっ、…この後はどうする?

菜:車椅子乗せてもらえれば…

ひなの:分かった

ひなのが菜緒を車椅子に乗せると、菜緒はリビングの方に向かっていった。

久:おっ、菜緒

史:おかえり

菜:二人もおかえり

リビングには久美と史帆が帰ってきていて、夜ご飯を食べていた。

久:…やっぱ髪伸びたよね……

菜:せっかくだし、もう少し伸ばそっかな〜、って…

久:ポジティブだこと…(笑)

家に帰ってきた菜緒です。

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