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東京都アンコン 都立高校「辞退」について

お久しぶりです。2月も後半になってしまいました。 さて、noteを休んでいた間は、忙しかったり、存在自体も忘れていたりしていました。すみません。

さて、今回は、「第44回東京都アンサンブルコンテスト」における、都立高校の「出場辞退」についてです。 

【引用】吹奏楽ネット(@suisougaku_net)さん 2021年2月20日 午後2時7分のTwitterへの投稿 

2月20日に行われた、「第44回東京都アンサンブルコンテスト」において、上の吹奏楽ネットさんのツイートにもあるように、高等学校の部で、14団体中3団体が、「辞退」ということとなりました。そしてその3団体は、全て都立高校だったということが一つポイントとしてあげられます。

【参考】都立八王子桑志(そうし)高校吹奏楽部応援アカウント(@soushibrass2019)さん 2021年2月20日午後1時13分のTwitterへの投稿

そして、こうした「辞退」をめぐっては、東京都教育委員会への批判や、東京都(高等学校)吹奏楽連盟に対しての批判が、著名な吹奏楽指導者をはじめとして、Twitter上で多数確認できます。さらには、私立と公立の格差とまで書かれる始末です。 さて、一体どうなってこのような事態になったのでしょうか。混沌としているので、できるだけ分かりやすく、整理してみます。この記事が、不正確な情報の拡散や、いわれのない誹謗や中傷を減らすことの助けになれば幸いです。

※出場を選択した団体、「辞退」を選択せざるをえなかった団体の生徒や関係者の皆さん、そのどちらも苦渋の決断だったと思います。悪いわけでなく、ましてや責められることはあってはならないです。

※以下の記事は、全てネット上で得られる東京都教育委員会や東京都吹奏楽連盟等のオープンな情報に基づいているものです。実際現場にどのように通知通告されているかは分かりません。詳しい状況をご存知の方からすれば、真実は違うかもしれませんが、それを承知の上でご覧ください。

緊急事態宣言の再発出による、部活動の中止

そもそもコロナさえなければこんな事にはなっていなかった。しかし、それを言い始めたらnoteなんか書かなくても良いわけでして。ことの発端はここです。

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東京都教育委員会HP「都立学校の対応について(第1370報)」2021年1月7日https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2021/release20210107_06.html

東京都教育委員会は、緊急事態宣言の再発出により、教育活動上の対応として、「全ての部活動(大会・コンクールへの参加、対外試合・合同練習等を含む)」を中止する教育活動と位置づけました。これにより、東京都内の都立学校では、部活動が中止となりました。また、各市区町村教育委員会にも通達しているので、各市区町村立中学校では同様の対応が取られていると思われます。

こうして、都立学校では、部活動の実施ができず、同時に大会への参加も認められないこととなりました。吹奏楽では、例年このシーズンに、アンサンブルコンテストという、3人から8人のチームで実施するコンクールが行われています。

東京都高等学校アンサンブルコンテストの開催

実は、宣言が出されることとなった際、都教委から、1月4日付けで、部活動の中止に関することを含めた通知が各学校長宛てで出ていたようですが、東京都高等学校吹奏楽連盟は、1月5日、6日に「第44回東京都高等学校アンサンブルコンテスト」(ややこしいですが、東京都アンサンブルコンテストの予選大会で、主催は東京都高等学校吹奏楽連盟)を開催しました。この予選は、1月5日、6日が開催日ということで、通知が遅かったこと、発出ギリギリだったことにより、都立高校も含め、実施ができたと考えられます。この2日間の大会は、無観客で行われ、東京都アンサンブルコンテストに出場する14団体が選出されました。その中で、都立高校のうち、3団体が選出されました。

ただし、辞退した団体は292団体中、25団体出てしまいました。辞退した学校名は明かされていません。例年も、辞退はあるのですが、今年の25団体というのは全体の8.5%ということで、前回大会の辞退が315団体中、9団体で、2.8%と考えると明らかに大きな数字ということがわかります。

付け加えておくと、1月23日、24日に開催予定だった、「第54回東京都中学校アンサンブルコンテスト」(東京都アンサンブルコンテストの予選大会、主催は東京都中学校吹奏楽連盟)は、中止となりました。この大会は、全国大会にまでつながる大会で、その予選大会が開催されないということは、全国大会までの出場が閉ざされてしまう、また、東京都として、中学校の部で代表を出せないという事態となりました。

延期開催された東京都アンサンブルコンテスト(本選)

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東京都吹奏楽連盟「第44回東京都アンサンブルコンテスト開催のお知らせ」2021年1月24日   http://www.tosuiren.org/oshirase/2020ancon-annai/2020kaisai_time.pdf

こうして、高校の部、大学の部、職場一般の部で各予選が行われ、それぞれの代表が東京都アンサンブルコンテストに駒を進めたわけですが、東京都吹奏楽連盟は、1月24日、緊急事態宣言発出を理由に、2月7日に行われる予定だった大会を、2月20日に延期することを発表しました。緊急事態宣言は、当初2月7日までの予定でしたが、2月2日に3月7日まで延長が決まりました。緊急事態宣言下での大会開催を避ける動きだったのでしょうか。ここは分かりません。しかし、結果的に宣言解除はされず、2月20日、再延期はなく、大会は開催されました。そして、都立高校は、緊急事態宣言下で、出場することはできないので(許可がおりない、出ないという表現を多く使われていますが、都教委的には1月7日の対応通り、大会参加を含む、部活動が中止なので、許可が降りるはずもないです。)「辞退」という事になりました。

都立高校はなぜ「辞退」となったのか

ここまで、オープンなデータをもとに、事実を述べてきました。東京都アンサンブルコンテストの翌日が、都立高校の入試だったため、都教委が許可を出さなかったという可能性もあるかもしれませんが、そうでないならば、今回の都立高校の「辞退」の理由は、以下でまとめられます。

①緊急事態宣言の再発出に伴う、東京都教育委員会の方針で、都立高校の全ての部活動が中止された。(ただし、予選についてはギリギリ免れられた。)

②東京都アンサンブルコンテストが、緊急事態宣言下で開催されたことにより、①の理由で都立高校は「辞退」となった。

教育委員会が悪いのか、東京都吹奏楽連盟が悪いのかという議論に対して

さて、ここで、再び、Twitter上を見てみると「部活動を全て中止にした教育委員会が悪い」「大会への参加の許可を出さなかった教育委員会が悪い」といった、都教委への批判に加え、「大会を強行した吹奏楽連盟が悪い」「宣言が発出されると分かっていた中で実施した高等学校吹奏楽連盟が悪い」といった、吹奏楽連盟側への批判も多いです。

ここまで書いてきましたが、皆さん的にどちらが、悪いとお思いでしょうか。いえ、そもそも悪い、悪くないという物差しで測れるものなのでしょうか。今回の件は、色々な見方ができると思います。都教委と吹奏楽連盟、どちらも判断を下した結果、今回のようになったということです。それを踏まえて、この件を見ていただければと思います。

最後に、「たら」「れば」は好きではないですが、都教委、吹奏楽連盟それぞれ、「どのように対応できたか」という観点で見ていきたいと思いますが、ここまでで既に3000字、一旦この辺で切りたいと思います。せっかく区切るので、他の緊急事態宣言が発出されている自治体との比較や、他の吹奏楽連盟がどのように大会を開催したか等をふまえていきたいと思います。気力があれば・・・。

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