怒りよりもなんか…ガッカリです…となった2021年映画ワースト10

いやー2021年も素晴らしい映画がたくさん観られて本当に良かったですね!ベストの記事は以下にも書きました!

年間300本以上観る映画ライター・ヒナタカの2021年映画ベスト10 - サイゾー
【2021年アニメ映画ベスト5】映画ライターが“豊作の1年”から傑作を厳選! - All About NEWS


はい、でも世の中には光があれば影もあるということでワーストもあげて行きましょうかね。曲がりなりにも映画ライターなのにこんなことをやってて宣伝会社さんや配給会社さんに若干嫌われている理由になっている気もしなくもないですがでもやるんだよ!好きな映画があったらごめんなさい!

ではスタート!

10位 CUBE 一度入ったら、最後

酷評オンパレードのわりにはまあまあ楽しめたんですが、後半の脚本が壊滅的すぎてなんでこれにOKが出たのか謎。短絡的なセリフばかりでブレブレなキャラ、おかしすぎる終盤の「過去」の示し方、失笑するしかないクライマックス…伝説的な作品のリメイクなんだからちゃんとしてよ…同じ脚本家さんの映画版『都会(まち)のトム&ソーヤ』もメタメタに叩かれていたのでこれからも注目ですね(真顔で)。

この映画の良いところ:菅田将暉と岡田将生の演技力。一部の独自の要素もそれ自体は面白かった。

9位 ビバリウム

聞きしに勝る全編気色の悪い胸糞な内容でしたね。内臓とか血が出るわけでもないのにR15+指定超納得なグロさと思わせるのはなかなかなもの。でもなぁ…家族ホラーとしての狙いはわかるんだけど、正直ダラダラしてて退屈だったし、不条理劇とは言えもう少し整合性があって欲しかったし、子育ての風刺としてもぜんぜん上手くいってないと思うんだ。

この映画の良いところ:中盤からの展開が良い意味でマジでキモい。

8位 シュシュシュの娘(こ)

まさか大好きな入江悠監督の作品をワーストに入れてしまうとは…!クラウドファンディングも小額だけど支援したし応援したい映画なんだけど、まったくハマらなかった…暗いトーンと引きの絵の多さは意図的なんだろうけどメリハリがないと思った…。「社会問題にフィクションで鉄槌を下す」は大好きのはずなんだけど本作は「それでいいの?」となった。でも2021年の入江監督作『聖地X』は不条理ながらロジックの込んだ展開が面白くって良かったです。

この映画の良いところ:サプライズの要素は好き。福田沙紀が久しぶりに観られて嬉しかった。

7位 マトリックス レザレクションズ

2021年の賛否両論の代表。1作目の脱構築だということはわかる。やろうとしていることは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』と似ているし、メタ的な要素も『マトリックス』という作品ならではと思う。でも全体的にノリが軽すぎなんだよ!ギャグが「いつまでそれやるの?」としつこかったし、続編作れと言われまくったことへのただの憂さ晴らしに見えてしまって、それが1作目が好きなファンへの当てつけにさえ思えてしまってイライラした。気持ちはわかるけどさぁ…! 何よりアクションに全くアガらない!
でも陰謀論のバイブルにもなってしまった『マトリックス』を現代で作るのだったら、こうなるんだろうという方向性はわかったし、ネオとトリニティの新たな関係性と結末には納得もできたんですけど…ねぇ…。

この映画の良いところ:キャリー=アン・モスの終盤の表情に感動した。

メディアの酷評レビュー↓
「マトリックス レザレクションズ」レビュー 居心地の悪い中学の同窓会だったが行く意義はあった - ねとらぼ

6位 ミラベルと魔法だらけの家

クオリティの高さが他作品の追従を許さない状態になっていたディズニー作品を、まさかワーストに入れてしまうとは…!疎外感という悩みを持つ主人公にめちゃくちゃ感情移入していただけに、この問題提起からは全く好きではない結末になって悲しかった。中盤の設定の飲み込みづらさから雲行きが怪しかったし、いろいろと設定と展開がいびつ。何より「とって」つけたような、あの解決方法は全く好きになれないよ…。世間的には評判は良いんですけどね。同時上映の短編『ツリーから離れて』は大好きです。

この映画の良いところ:家の中だけなのにとっても楽しい画が続くアニメのクオリティが圧巻。日本語吹き替え版も好き。

5位 プリズナーズ・オブ・ゴーストランド

個人的にはこの「や、やっちまったな〜!」感も含めてぜんぜん嫌いじゃないんですが、客観的にはやっぱり酷いよねと思ったのでこの位置。ギャグは滑り倒していたしアクションもキレがなくとにかく冗長で眠い。こんな脚本を読む前にオッケーを出すんじゃないよ。ニコラス・ケイジへのリスペクトも感じないし、むしろ扱いが積極的に酷い。でも2021年の園子温監督は『エッシャー通りの赤いポスト』がすっごく良かったです。

この映画の良いところ:説得力が皆無だけど、闇鍋パッチワークな世界観が好き。ニコラス・ケイジは楽しそうだった。

4位 ハロウィン KILLS

2018年の『ハロウィン』が大好きだっただけにこれはちょっと…「我々もまた加害者なのかもしれない」というテーマを入れたのはいいけどその扱いが悪い意味で後味悪いしブギーマンの不死身ぶりも度が過ぎてて人死にがボンボン起きるのに退屈で睡魔が…3部作のブリッジに当たるけど裏切りがすぎるあまり納得感が薄いのは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に近いと思う。最終作がとても不安。

この映画の良いところ:人がたくさん死んじゃうのが良かった

3位 るろうに剣心 最終章 The Beginning

たぶん退屈さで言えばここ最近でぶっちぎり。ずっと過去編って大丈夫か…?の不安が見事的中。主役2人がずっと鬱々なのは元々がそうなので仕方ないけど、ダラダラした会話の間延びっぷりと「『The Final』でオチ見てたし…」ということもあってシリーズ中ぶっちぎりでノレない最終作に。あまりに間延びして退屈だったので『映画大好きポンポさん』のジーンくんが頭の中でずっとカット編集してた。この内容で137分って……。『The Final』から興行収入もずっと下がってしまったようだし、この2部作の構成は商業的にも良くなかったと思う。
『The Final』はシナリオに不満はあるし退屈に感じたシーンもあったけど、美術・衣装・撮影の本気ぶり、何より前3作よりもさらに進化したチャンバラ大バトルに満足したんですよね。こちらはシリーズの悪いところが突出してしまったよ…。でもコロナ禍の緊急事態宣言における理不尽な映画館への対応を改善するために奔走した大友啓史監督には感謝しています。

この映画の良いところ:オープニングの大立ち回り。

2位 妖怪大戦争 ガーディアンズ

脚本がもはや商業映画として出していいレベルじゃなく酷い。テーマをベラベラとおしゃべりになるのに設定も物語も納得できないことばかりで薄っぺらい。クライマックスは初耳すぎる方法で戦うので「そんな伏線ありましたっけ…」と死んだ目になった。やっぱり『ガッチャマン』や実写版『進撃の巨人』の脚本家さんの腕前は半端ねえな!褒めてねえからな!あと三池崇史監督は『初恋』が2020年の映画ベスト3なんですが、今年はワースト2位!この振れ幅が三池イズムなので本当信用ならねえからな!

この映画の良いところ:豪華キャストの特殊メイク。あと杉咲花のクーデレキャラ。

1位:おとなの事情 スマホをのぞいたら

ネタバレと言えばネタバレだけどもういいや、終盤にコンビーフが大写しになってコンビーフの宣伝が始まったんですけどなんなんですかあれは?各国でリメイクされた人気作の日本リメイクなんだけど、オリジナル版を見て確認する気がいっさい起きないほどにワンシチュエーションものとして展開にメリハリがなく退屈だし破綻していたしとにかくつまらない。同性愛を扱った内容としてもかなり失礼だった。一言で言ってだめ。ただただだめ。

この映画の良いところ:東山紀之を筆頭に役者の演技は良かった。

世間的に評判が悪いけど個人的に擁護したい映画

余談ながら言うと1位と2位は実は試写で観ていたんですが、もう本当褒めることが書けなかったのでツイートで紹介すらしてませんでした。この年末まで残念な気持ちを持って行ってたからな…!

世間的に評判が悪いけど個人的に擁護したいのは『100日間生きたワニ』『アーヤと魔女』『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』ですね。
特に『100日間生きたワニ』は理不尽なバッシングムード(今も許してねえからな)に隠れているけど普通に観た人からは賛否両論なんですよね。僕は掛け値なしに大好きで、あの原作から最適解を導き出した素晴らしい作品だったと思います。

メディアの記事はこちら↓
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そんなわけで、例年に比べて「そんなに絶対的にワーストと言うほどにひどくはない」けど「かなり期待していたからこそガッカリした」例が多い2021年でしたね。そういう意味では『マトリックス レザレクションズ』がいちばんショックだったんだけど、やっぱり『マトリックス』という作品が大好きだからさ…となったから7位止まりです。うん、2022年は積極的に良い映画を観よう!


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