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徒然に書き物

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#小説

亡きしを偲ぶ

ふと、曲を聞いて思い出す事がある。

私には小さい頃、とても自分に良くしてくれる伯母がいた。それは母よりもたしか5つかそれくらい上で、まれに自分へと厳しくしつけをする父との間に立って、私が折れないようにしてくれていた。

”小さい頃”というのは、今はもう亡くなってしまっているからである。それもここ数年の事柄ではなく、もう20年は前になろうかというほど昔の話で。

当時の伯母の顔は覚えているが、声は

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