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【ネタバレあり】君たちはどう生きるかを観たので語らせてください

※ネタバレします。少しでもネタバレを観たくない方は回れ右して、映画を観た後にまたいらしてくださったら嬉しいです。
ちなみに私が一番好きなジブリ作品は平成ぽんぽこたぬき合戦です。

公開から様々な点において話題となっている映画、「君たちはどう生きるか」を鑑賞した。

私は極力、事前に情報は入れまいと、主題歌さえも聴くのを我慢し、映画館に向かった。

そして、見終わった今、ずーんとずっしりとした圧倒、でも爽やかな感覚を覚えている。

どうかこの気持ちを忘れたくないと思い、私は急いでこのnoteを書いている。

まず、よかったか悪かったかで問われれば、私は間違いなくよかったと答える。

内容の全てを理解できたとは思わない。
むしろ、自分の理解に自信はない。
正直、疑問が残る点もある。
それでも、この映画を観に行ったことを後悔していない。

公開前に某SNSで、タイトルのインパクトのせいか「どうせ宮崎駿の説教じみた話なんだろう」という言葉を目にしたのだが、私はそのようには全く感じなかった。

もし、そのように思って観に行くことを躊躇っているのなら、それはとても勿体無いことである。


まず、ストーリーについて話す前に、作画があまりにも美しすぎた。
ジブリにしか出せない色使いであり、生き生きとして瑞々しく、艶やかである。

そして、これまでのジブリ作品にもあるように、どうしてこんなに可愛くて愛おしい小物や建築、植物が生み出せるのか不思議に思う。

これまで私が観てきたジブリ作品の中でも、今回の作画はまさに集大成といっても良いのではないだろうか。

正直、この美しい作画を見るだけでも、観る価値があると思う。

ストーリーについては、現実世界ともう一つの世界が描かれている。

このもう一つの世界について、疑問を感じ、理解のしがたさを生んでいるように思う。
実際にこれを書いている私も理解できていないところがある。

それでも細かな疑問は残るとしても、物語の大筋の流れは掴めるのではないだろうか。

私の気のせいかもしれないが、これまでのジブリ作品でどこか見たことがあるような、面影を感じるものも出てきて、なぜだかワクワクもする。

さて、この物語でキーとなるシーンは、白い積み木のシーンだと個人的には解釈している。
大叔父が13個の積み木を積み上げ、今度は大叔父の跡を継ぎ、積み木を積むように言われ、断る主人公。
自分が思う善と悪の通りに思いのままに世界を創造するのではなく、主人公はいずれ火の海となる現実世界に戻る。

これを今に置き換えるのなら、先人たちが築き上げてきた現在。

そしてこれからはどう生きるのか。

それを決めることができるのは我々自身である。

先人たちの基盤を使うのか。決めるのは未来を生きる我々だ。

そして新たな時代を、創造せよ。

そんなメッセージを私自身は受け取った。
間違っているかもしれないし、そんなこと言ってないよと監督に言われるかもしれないが、私はそう思った。

さて、私が積み木のシーン以上に一番グッときたシーンは、映画の終盤、扉を開けて現実世界に戻るヒミ(後の主人公の母親、火災で将来的に亡くなってしまう)と主人公の別れのシーンである。

ヒミが現実世界に戻れば、いずれ火災でヒミは死んでしまう。

それでも、ヒミは笑顔で「私はあなたを産まなくちゃ。火は素敵だ。」と答える。(ごめんなさい、セリフは曖昧ですが、本当に素敵な場面なのです。どうか劇場で見てください。)

この時のヒミの表情に迷いはなく、それがヒミの運命であっても、ヒミが創造した人生なのである。

この映画は受け取る人によって、感じ方はそれぞれだと思う。
私自身も、もう一回観にいけばまた違う感想を持つような気もするし、数年後、数十年後にまた観たら捉え方は変わっているようにも思う。

どうか恐れずにこの映画を観に行ってほしい。

映画の感想、捉え方に答えなどないし、どれも間違っていない。

この映画に少しでも興味があるのなら、あなたにとって必要な映画である。


どうかジブリ作品が可能な限り長く生み出され続けることを願って。


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