LIFE
一生に一度の恋だと思っていた恋は、あっさり終わった。あの人にとってはただの青春の1ページかもしれない。私だってたくさん辛い思いもしたし、いなくなればいいと考えたこともあった。それでも、私にとってはあらゆる初めてを捧げた、かけがえのない恋だった。前に進もうと手当たり次第に新しい恋を探そうとした。恋は上書き保存するもの。でもそんなの嘘だった。寝ても覚めても忘れられない。隣に他の人がいるほど、あの人を思い出してしまう。
それから月日が経った。記憶は薄れゆくもの。あの人との思い出はもうほとんど残ってない。ついに、ついに乗り越えられた。素敵な人にも出会えた。
だけどふと思ってしまう。忘れたくない。いなくならないで、私の記憶。あんなに消そうとしてたのに、いざ記憶から消えかけると追いかけてしまう。初めて逃した幸せは、もう二度と手に入らない。
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