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脱皮

スキル、お金、それが自分を主張してくれるものだと思ってた。

かき集めた。

可愛い彼女、高価な車、それが自分の価値を表すものだと思っていた。

必死で求めた。

結果、スキルが身について、多くの人が頼ってくれるようになった。
欲しいものは比較的不自由なく買えるようになった。きれいな人と恋もした。週末にはドライブできる車も手に入った。


でもある時、気づいた。
かき集めてきたものは、自分を守ってくれる殻だったんだって。そして僕は、自分がすっぽり隠れるよう継ぎ足し、修復しながら、殻を大きくしてきたんだって。

今、会社員として、求められる仕事を淡々とこなしながら、これでいいんだろうかっていつも葛藤する。

人生かけてやりたいことは何?
キミが本当に楽しめることは何?
やろうよ やろうよ やろうよ
ボクは、キミがそれをやっている姿が見たいんだ。

内なる自分が語りかけてくる。

やってやろうじゃないか。動き出そうとした時、気づいた。
外見を気にして大きくした殻から、抜け出せなくなってしまっているって。

甲殻類は、脱皮を繰り返して大きくなる。
内なるエネルギーで外を破って成長し、強くなり、大きくなる。
これが自然であるならば、僕たちも、誰かに押し付けられた仕事じゃなくて、世間の目を気にした行動じゃなくて、内なる声に従って生きるべきだって思う。

今度記事にするが、最近ある活動を始めた。
「ホームレス英会話」
である。スーパーなどで物乞いをしている人に、施しをする代わりに、その人の話を聞く、というものだ。

違った境遇にある人の話にとても興味があった僕にとって、とても勇気が必要だったけど、内なる声に従った「自然な」活動だ。これまで、人目を気にして自分を出してこなかった僕が、ほんの少しの殻の隙間から外の世界を覗いた瞬間だった。あぁ、このために僕は英語を必死で勉強して、イギリスまで来たのかもしれない、そう思えた。

まだ自分が顔を出した殻の隙間は塞がっていない。ここから、少しずつ殻を壊して行けたらいいなぁ。そして裸でも、体当たりで世界とぶつかれる、そんな人になれたらいいなぁ。


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