電脳虚構#7|善意の都市(上)
Chapter.1 気配
残業で遅くなり、早足で駅からマンションまで帰る。
今日もまた背中に視線を感じる、きっと誰かにつけられているのだ。
家のドアの前。コンビニの袋がぶら下がっている。
まただ・・。
袋の中は、野菜ジュースとサラダ、解凍されてびしゃびしゃになった冷凍フルーツ、つぶれかけたシュークリーム。今日は栄養ドリンクまで入っていた。
そしていつものように、チラシの端をちぎったような、手紙とは到底いえないメモが入っていた。
と、かすれた緑のマジックの汚い文字が不気