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電脳虚構

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近未来テクノロジー空想小説のショートショート
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#夫婦

電脳虚構#19|マッチング・アベニュー

ダイニングテーブルを分つ、ふたつのカップ。 口も付けず、その熱と珈琲の香りだけが天井へと逃げていく。 長い沈黙を破ったのは、夫の方だった。 「ごめん・・。」 二人を隔てる乾いた空気。その声はポツンと虚しく響いた。 「あやまらないで。実は私も・・」 ”どっちが先”という話ではない。 互いが互いを裏切り、別の人を愛した。 ただそれだけだった。 Chapter.1 アベニュー 「アベニュー」というマッチングアプリがある。 自分のアバターを作って仮想世界で異性と交流する

電脳虚構#4 | リトライ

「死ね!死ね!この裏切り者!!」 私は夫にまたがり、何度も包丁で刺した。 「うわぁぁぁぁ〜〜!!死ね!はぁはぁ、死ね死ね!!!」 もうとっくに絶命していたのだろう、それでも我を忘れて刺しづづけた。 「カラン」 私の血だらけの手、その血のりでぬるっとすっぽ抜け床に転がった包丁。 その冷たい金属音で、ようやく我に返った。 壁・床・冷蔵庫・シンク。あちこちに飛び散った血と肉片。 赤く染まったキッチンには、さっきまで「夫」だった物体が無残な姿で横たわっていた。 「またや